■無骨なだけじゃない
「乗り降りはしにくいと思ったけれど、もう慣れたかな」と彼女。彼女にとって、ハイラックスは驚きの連続だったらしい。
まず車体が大きい。全長が5340mmで全幅が1855mm。全幅はともかく、全長は普通の駐車枠からははみ出してしまう。
これでもフォードF150など北米のフルサイズピックアップトラックに比べるとふた回り小さいのだが、日本では基準外のラージサイズだ。狭い駐車場だけでなく、道路でUターンするのもちょっと苦労する。
着座位置が高いから乗り降りもしづらいし、大きな荷台があるのも不思議だったようだ。ただ、インテリアの質感は無骨なトラックのレベルではなく、しっかりと乗用車。
運転支援系の機能も、衝突被害軽減ブレーキはもちろん、レーダー式のクルーズコントロールまで備えていて、最新の水準と言っていい。
■ハイラックスの世界
ちなみに2020年夏のマイナーチェンジでは顔つきが変わり、無骨になって力強さが増した。「どこまでも行けそうだね」という彼女の印象は、まさしくだ。
このクルマを買うには、勇気がいると思う。トラックという普通の人にとっては非日常のクルマだし、車体は大きいし、1ナンバー登録で高速道路料金が高いことや毎年車検というのもハードルになる。
だけど、それを超えて所有した人にしか見えない世界があるのもまた間違いない。それが「ハイラックスの世界」なのだろう。
「わたしは強そうなクルマが好きなの。だからハイラックスは気に入っている」
そんな彼女の言葉が、力強い。(おしまい)