■911カレラGTSにMTとPDK(デュアルクラッチトランスミッション)を設定
新型・ポルシェ911に、「911カレラGTS」「911カレラGTSカブリオレ」「911カレラ4GTS」「911カレラ4GTSカブリオレ」「911タルガ4GTS」が加わり、2021年6月23日(水)からポルシェジャパンの予約受注が開始されました。
現行型(タイプ992)の発売から約2年半を経て、911シリーズにスポーティグレードのGTSモデルが追加されます。
最初のGTSシリーズがタイプ997に導入されて以来、スポーティなGTSシリーズは、911の中でも高い人気を得ています。
新型911カレラ GTSシリーズは、水平対向6気筒エンジンが搭載され、最高出力353kW(480PS)を誇り、現行911カレラ Sと先代911 GTSを22kW(30PS)上回っています。最大トルクは、先代を20Nm上回る最大トルク570Nmを発揮。
組み合わされるトランスミッションは、8速ポルシェデュアルクラッチトランスミッション(PDK)と7速MT。8速PDKを備える911カレラ4 GTSクーペの0-100km/h加速は、先代を0.3秒上回る3.3秒です。
7速MTは、走りをより重視する層に向けてリヤ駆動クーペモデルである「911 カレラ GTS」の専用装備としてショートストロークのMTとして搭載されます。シフトレバーが10mm短縮したオプションの7速MTは、手首を動かすだけで迅速なギヤシフトが可能だそう。
さらに、「ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)」を備えたGTS専用サスペンション、911ターボ由来の高性能ブレーキシステムを搭載。
GTSで初めて採用された「ライトウエイトデザインパッケージ」は最大25kgの軽量化をもたらし、より鋭い走りが提供されます。
「ライトウエイトデザインパッケージ」は、軽量な炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製フルバケットシート、サイドウインドウとリヤウインドウの軽量ガラス、軽量バッテリーにより最大25kg軽量化。後席も取り外されるほか、標準装備のリヤアクスルステアリングと追加のエアロダイナミクスエレメントも用意されます。
GTS専用にチューニングされた911 ターボ由来のサスペンションは、精確なパフォーマンスを引き出すとしています。「ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)」によって、ダンパーは瞬時にダイナミックな変化に応答。
クーペとカブリオレには、PASMが標準化されていて、10mm低く設定されたスポーツシャシーが組み合わされています。ターボモデル由来のリヤステムのヘルパースプリングコンセプトによって、すべての走行条件でリバウンドに変更なくメインスプリングに張力がかけられるのが特徴です。さらに、「911タルガ4GTS」には、PASMが装備された「911タルガ4Sシャシー」が備えられています。
動力性能の向上に対応すべく、911ターボの高性能ブレーキシステムが採用されます。GTSのパフォーマンスの向上に合わせて制動性能も設定されました。ブラックのフロント20インチとリヤの21インチのセンターロック式軽合金製ホイールは、911ターボ由来。
標準装備のスポーツエグゾーストシステムは、GTS専用セットアップと一部の車内断熱材の削減によって、さらにエモーショナルなサウンドに寄与するとしています。
エクステリアはスポーティでありながらもあくまで控えめで、ブラックのアクセント、ティンテッドヘッドライトが目を惹きます。エクステリアには、ブラックまたはダークカラーのディテールが配置され、「911タルガ4GTS」には「Targa」ロゴも含まれます。
サテンブラックでペイントされた追加のエレメントには、スポイラーリップ、センターロック式軽合金製ホイール、エンジンフードルーバー、ドアと車両リヤの「GTS」ロゴが含まれます。
さらに、ハイグロスブラック仕上げとなるエクステリアパッケージをオプションから選択することも可能。 911GTS全モデルには、前後とサイドシルに特徴的なトリムを備えた「スポーツデザインパッケージ」を用意。ヘッドライトのリムとデイタイムランニングライトの周囲はダークカラーで、「ポルシェダイナミックライトシステムプラス(PDLS Plus)」が組み込まれたLEDヘッドライトが標準装備されます。テールライトは、GTSモデル独自設計となっています。
ブラックはインテリアの主要カラーとしても使われています。「Race-Tex」マイクロファイバーが使われている多くの装備がダイナミックでエレガントなムードを演出。
Race-Tex装備は、シート中央部、ステアリングホイールリム、ドアハンドルとアームレスト、収納ボックスリッド、シフトレバーに使われていて、すべてマイクロファイバー素材のトリムでカバーされています。
「GTSインテリアパッケージ」では、オプションに「カーマインレッド」または「クレヨン」のデコレーティブステッチが備わります。シートベルトとヘッドレストの「GTS」刺繍ロゴ、レブカウンター、「スポーツクロノウォッチ」に同じコントラストカラーが使用されます。「GTSインテリアパッケージ」のダッシュボードとドアトリムのデコレーティブインサートは、マットカーボン製になります。
また、最新世代となる「ポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)」は、操作とコネクティビティが大幅に向上。GTスポーツステアリングホイール、「モードスイッチ付スポーツクロノパッケージ」「ポルシェトラックプレシジョンアプリ」、タイヤ温度表示が標準装備されます。電動4ウェイ調節機能を備えた標準装備の「スポーツシートプラス」は、横方向のフォールド性と快適性を両立しているそう。
さらに、車内の断熱材が削減されることによって情熱的なエンジンサウンドも強化されています。新しいディスプレイと操作コンセプトも用意されています。
「Apple Car Play」はもちろん、「Android Auto」にも対応する新世代の「ポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)」は、追加機能と大幅に簡素化された操作が美点。メディアメニューのタッチエリアが拡大され、ホーム画面のタイルの配置オプションが新しくなっています。改良された音声アシスタントは、自然な音声を認識し、「Hey Porsche」で起動します。
価格はPDKとMTを設定する「911カレラGTS」が1868万円、PDKのみの「911カレラGTSカブリオレ」が2093万円、PDKのみの「911カレラ4GTS」が1974万円、PDKのみの「911カレラ4GTSカブリオレ」が2199万円です。なお、ステアリング位置は全モデル、左右の両方が設定されています。
(塚田 勝弘)