「歴史に残る、かも!?」美月千佳×BMW i8ロードスター【注目モデルでドライブデート!? Vol.86】

■速さは十分

未来を見据えて、BMWのサスティナブルさを象徴する存在としてデビューしたi8。スポーツカーのような存在感を持ちつつ、1.5Lの3気筒エンジンに強力なモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドカーだ。

美月千佳×BMW i8ロードスター
BMW i8ロードスター

実際に乗ってみると、これまでのスーパーカーとはまったく違う世界が面白い。これまでのスーパーカーは、エンジンを掛けると同時に派手なエンジン音を奏でるのが常識。

しかしi8は無駄なアイドリングをせず、エンジンを掛けることなくモーターでスーッと滑るように走り出す。ほぼ無音。そしてエンジンの振動も無いから、まるで雲に乗ったかのような感覚だ。

美月千佳×BMW i8ロードスター
座るのにちょうどいい!?

それでいて本気になれば、231psのエンジンと131psのモーターのコンビネーションで、ベーシックなポルシェ911と同等の加速をするから十分な速さを楽しめる。

●特別なクルマ

美月千佳×BMW i8ロードスター
「ドライブの目的地は?」

ボディはカーボンで、まるでレーシングカー。そのあたりからも、「特別なクルマを作ろう」というBMWの意気込みが伝わってくる。

しかしこのi8は、商業的に成功したとは言い難い。スーパーカーに多くのオーナーが求めるのはやはり「ロマン」であり、プラグインハイブリッドという先進性よりも、大排気量マルチシリンダーの躍動感や奏でる音といった官能性能が大切なのだ(だからエンジンが小さなホンダ「NSX」も苦戦しているのだろう)。

もしくは、ハイブリッドでもフェラーリ「SF90」やマクラーレン「P1」のように絶対的な速さがないと受け入れられにくい。

美月千佳×BMW i8ロードスター
迫力ある後姿

そんな事情もあり、デビューから約6年を迎えた2020年4月には生産を終了している。生産台数は未公表だが、そう多くはなさそう。

しかし、BMWの歴史に残る1台といえるのは間違いないと思う。(おしまい)

(文:工藤 貴宏/今回の“彼女”:美月 千佳/ヘア&メイク:有本 昌代/写真:ダン・アオキ

この記事の著者

ダン・アオキ 近影

ダン・アオキ

15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。
諸行無常の響きあり。主に「女性と車」をテーマにした写真を手がけ、『clicccar』では「注目モデルでドライブデート」の撮影をさせていただいております。感謝。
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