■大きく変わったエンブレム(ロゴ)は、新時代に挑むブランドの決意
現在の自動車メーカー(ブランド)で最も古い歴史を持つといわれるプジョー。そのスタートは1810年ごろで、冷間製鉄、歯車、ミル(ペッパーミル)の生産からはじまり、自転車やオートバイも手がけてきた幅の広いメーカー(ブランド)でもあります。2021年2月25日、そのプジョーのブランド・ロゴが大きく変わりました。
同ブランドのエンブレムは、プジョーのホームページでは1905年のライオン・プジョー社のそれから掲載されています。なお、最初に使われたのは1850年だそう。1905年のエンブレムは、矢の上を歩くライオンが飾られ、クルマのグリルに配されていたほか、オートバイや工具類にもこのモチーフのバリエーションが使用されていたそうです。
現在のエンブレムに近い、ライオンの輪郭を使ったエンブレムは、1975年に登場。さらに、1998年にはクローム仕上げになり、2010年に2種類のメタリックが施されたエンブレムになっています。プジョーは1850年以来、ロゴ(エンブレム)を10回に渡ってデザインを変更してきたそう。いずれもライオンがあしらわれたエンブレムです。
今回発表された11回目の変貌を遂げた新バージョンは、プジョーのグローバルデザインを手がけるPEUGEOT Design Labの手によるものだそう。より流麗で、より質感高く、エレガントなデザインです。2010年からの現在のロゴは、プジョーブランドのさらなるブランドの向上のために刷新する必要があったそう。
なお、2021年のプジョーを飾るのは新型308で、同モデルにも採用されるほか、リニューアルされたウェブサイトや店舗などにも使われます。新しいロゴは、版画で掘られたような陰影のあるライオンが印象的。
今までは、ライオンの身体全体が輪郭などで描かれていましたが、今回はライオンの頭部のみとなっています。それだけ、ライオンならではの迫力も感じられます。プジョーは、新しいエンブレム(紋章)について、「タイムレスかつ普遍的、そして多文化に対応するアイデンティティとなるライオンのフォルム、これこそがこの紋章が意味している」と表現しています。さらに、「この紋章を掲げることでプジョーは新たな領域へ参入し、国際的な進出を加速させ、フランスならではのスタイル、ノウハウ、そしてフランスの生活の智慧(サヴォワール・ヴィーヴル)を世界に向けて発信することに挑みます。
プジョーブランドはその歴史の中で、新たな時代へ向かい、新たなページをめくることとなるのです」と、新しい時代を切り拓く同ブランドの決意も込められています。
(塚田 勝弘)