■上野の博覧会で日本初のエスカレーターが登場!
3月8日は、「国際女性デー」です。1904(明治37)年のこの日、ニューヨークで婦人参政権を求めたデモが起源になり、国連によって1975年に制定されました。国連の2030年までに達成すべき17の目標の中に、なにかと最近話題の「ジェンダー平等を実現しよう」が明記されています。
また「エスカレーターの日」でもあります。1914(大正3)年、上野で開催された「東京大正博覧会」の会場で、日本初のエスカレーターが設置されたことにちなみます。この時は、秒速30cmで有料(10銭)だったそうです。現在の一般的な速度は50cm/秒なので、ちょっとゆっくりのエスカレーターだったんですね。
さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?
1990(平成2)年3月8日、トヨタからガルウィングドアが特徴の「セラ」がデビューしました。
1987年のバブル景気の中で開催された東京モーターショーで、観衆の大きな注目を浴びたコンセプトカー「AXV-II」がその原型。トヨタの若い技術者が夢のあるクルマを目指して開発した小型スペシャルティカーでした。
デビューしたセラは、「スターレット」をベースにガラスを多用した丸みを帯びたボディに国産量産車初のガルウィングドアを採用するなど、そのスタイルは大きな話題を集めました。またインテリアについても、「スーパーライブサウンドシステム」や専用内装などを採用するなどエクステリア同様、豪華な仕様。エンジンは、1.5L DOHCのスターレット用エンジンをロングストローク化して低中速トルク重視としましたが、ガルウィングやガラスを多用した結果、車両が重くなって走りはおとなしめでした。
これだけユニークで豪華な仕様ながら、セラの価格はベースグレードの5MTで160万円とリーズナブルな設定にされていました。ところが、初年度こそ1万台近く販売したものの、その後は急減速して1995年あえなく生産終了となりました。
セラは、何でもありのバブル全盛時に開発され、デビューの1990年頃はバブル後退期、そして1992年にはバブル崩壊と、非常にタイミングが悪かったと言えます。さらに、スタイリングこそ個性的でしたが、走りは平凡で見掛け倒しなところが、市場で評価されなかったのではないでしょうか。スペシャリティカーを買う目の肥えたユーザーからみれば、物足りなく感じたのかもしれませんね。
毎日が何かの記念日。それではまた明日!
(Mr.ソラン)