■デビュー以来はじめての全面刷新で人気爆発!
待望のニューカーが納車され、彼女が待つ待ち合わせ場所へ颯爽とクルマを走らせるボク。
クルマは、ランドローバー・ディフェンダー。イギリスの老舗オフローダーブランドの四輪駆動車だ。
ディフェンダーの原点は1948年から製造されている「シリーズ1」で、2019年におこなわれたフルモデルチェンジは実質的にデビュー以来はじめての全面刷新となる。
長い歴史ながらはじめてのフルモデルチェンジかつ、そのタイミングはデビューから約70年後というのだから、何もかもが異例と言っていいだろう。
日本では、2020年の終わりからデリバリーがはじまったばかりだ。あまりの人気に納車が追いつかない状況だという。
「これなんだ。個性的だね。」(彼女)
それが、クルマに乗り込んだ彼女のひとこと目だった。
●伝統? 冒険?
ディフェンダーのフルモデルチェンジの方向性は、ボクにとって意外だった。もっとコンサバティブな方向だと思っていたからだ。そう、メルセデス・ベンツGクラスのように。
Gクラスは起源となるモデルの登場が1979年。2018年に初となる実質的なフルモデルチェンジをしているが、デザインはパッと見たところ従来モデルとの見分けがつかないくらいクラシカルだ。
いうまでもなく、古典的なスタイルが人気の理由だったからである。
Gクラス以外でも、たとえばアメリカのキング・オブ・オフローダーであるジープ・ラングラーだって伝統的、というか古く見えるスタイルを守っている。
いずれも冒険心を満たすクルマだが、ある意味、冒険を避けているのかもしれない。(つづく)
(文:工藤 貴宏/今回の“彼女”:牧野澪菜/ヘア&メイク:牧 詠子/写真:ダン・アオキ)