■クルーズ・ボルトをベースとした試験車両を活用
2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、トヨタを筆頭に日本の各自動車メーカーなどの自動運転技術を世界に発信する場でもありました。
コロナ禍により今後、各プロジェクトがどうなるのか不透明ではありますが、2021年は世界初となるホンダ・レジェンドなど自動運転「レベル3」元年になります。
そんな中、GMクルーズホールディングスLLC(クルーズ)、ゼネラルモーターズ(GM)とホンダは、2018年10月に結ばれた資本・業務提携関係に基づき、日本における自動運転モビリティサービス事業に向けた協業を行うことで基本合意したと発表しました。
2021年中に、クルーズのBolt(ボルト)をベースとしたクルーズの試験車両を使い、日本での共同開発の一環として、日本国内での技術実証の開始を目指すと表明。
将来的には、クルーズ、GM、ホンダの3社が共同開発している自動運転モビリティサービス事業専用車両である「クルーズ・オリジン」を活用した事業展開を目指すとしていて、事業運営は、2020年2月に新設したホンダモビリティソリューションズが担う予定だそうです。
ホンダモビリティソリューションズは、モビリティサービスの企画立案から運営を担う会社で、事業を通じて、移動に伴う利便性の向上や渋滞、排ガス、交通事故といった社会課題の解決を目指すと表明しています。
今回の基本合意についてクルーズのDan Ammann(ダン・アマン)CEOは「より安全、よりクリーンでより便利な交通手段を提供するというクルーズのミッションは、米国に限ったものではありません。世界中で大きな変革が必要とされており、今回の取り組みは、ホンダとのグローバルでの協業における象徴的な一歩と考えています」とコメントしています。
ホンダの八郷隆弘社長は「今回の取り組みは、すべての人に生活の可能性が拡がる喜びを提供する。という2030年ビジョンで掲げる移動と暮らしの新価値を創造するものです。今後も、志を共にするパートナーとの積極的な協業を通じて、日本における自動運転モビリティサービス事業の実現に向けて、加速していきます」と表明しています。
具体的にどういったシーンでの自動運転モビリティサービス事業が展開されるかはまだ触れられていませんが、自動運転との相性(親和性が高い)が良いとされるEVを使い、公開されたクルーズ・オリジン導入イメージによるとコミュニティバスクラスのサイズ感で、トヨタが「e-Palette」で先行している感のある次世代モビリティな具体的なプロジェクトとして、日本のスマートな移動に新しい選択肢が増えるのか期待が高まります。
(塚田 勝弘)