■4WDモデルは雨天時でも安定感抜群
ステーションワゴンの中でもセダンに引けを取らない走り、エクステリアなどを堪能できるスポーツワゴンは、積載性の高さという本質も備えていますから一度乗ると離れられないという方も多いはず。その代表的なモデルといえるBMW 3シリーズツーリングは、狭い場所でも比較的取り回ししやすいのが美点です。
現行型の3シリーズツーリングは2019年9月に発売され、11月からデリバリーされていますから1年近くが経ち、街中でもかなり見かけるようになっています。
今回試乗した「BMW 320d xDriveツーリング Mスポーツ」は、全長4715×全幅1825×全高1475mmでホイールベースは2850mm、車両重量は1730kgで2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボ。エンジンスペックは、最高出力190PS(140kW)/4000 rpm・最大トルク400Nm/1750-2500rpmとなっています。
走り出しからBMWらしく、クルマとの一体感が味わえるハンドリングは期待どおり。リヤの開口部が大きく、ラゲッジスペースを備えているとは思えない心地良さがあります。高速道路などで少し飛ばしてもリヤの追従性が高く、クルマの向きをドライバーの意図どおりスムーズに変えることができます。
試乗車はFRではなく4WDであるため、俊敏性に加え、雨天時でも安定感を抱かせるのも美点のひとつ。
また、ディーゼルエンジンらしくトルク感のあるパワーユニットに仕上がっていて、ドライブモードを「ECO PRO」にすると他のBMWモデルと同じようにエンジン出力を大きく絞っているのは同じ。ストップ&ゴーが続く都市部や渋滞時などでは同モードで燃料をセーブすることができます。
それ以外のシーンでは「COMFORT」にしておけば動力性能に不足感はなく、ゆとりのある発進加速が得られます。
さらにディーゼルであっても吹け上がりは良好で、高回転域のパンチ力も感じられます。組み合わされるトランスミッションは8ATで、スムーズなのはもちろん、「SPORT」モードにすればダイレクト感も引き出せる逸品。低速域でディーゼルらしい音・振動は感じさせますが、3シリーズツーリングでディーゼルが人気なのも頷けます。
一方、「Mスポーツ」というスポーティグレード、グッドイヤー「イーグルF1」のランフラットタイヤということもあり、足まわりは硬め。それでもフロントシートのサポート性、減衰性の高さもあって衝撃の収まりは速く、快適さは十分に担保されています。
ボディ剛性感もワゴンであることを感じさせず、微振動などに見舞われることはありませんでした。
(塚田 勝弘)