■「GLA 45 S」は、世界で最もパワフルな2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載
日本の街中を走り始めた2代目の新型メルセデス・ベンツGLAに、待望のハイパフォーマンス仕様が追加されました。
今回追加されたのは、「メルセデスAMG GLA 35 4MATIC(以下GLA 35)」「メルセデスAMG GLA 45 S 4MATIC+(以下GLA 45 S)」の2グレードで、同日から予約注文の受付がスタートしています。デリバリーの時期は「GLA 35」が2020年12月頃、「GLA 45 S」は、2020年11月頃の予定とされています。
今回追加された「GLA 35」は、「メルセデスAMG 35シリーズ」5番目のモデルで、AMG系でも売れ筋といっていいでしょう。
FFアーキテクチャーモデルに高出力なエンジン、十分なトラクションを確保する4WDシステム、高い剛性と俊敏性を実現するシャーシの補強やサスペンションのセッティングなどにより、高いドライバビリティと快適性を兼ね備えています。
「GLA 35」のエンジンは、最高出力306PS(225kW)・最大出力400Nmというアウトプットの2.0L直列4気筒ターボの「M260」。
ツインスクロールターボチャージャーや可変バルブリフトシステム「CAMTRONICカムトロニック」により、低回転域での力強く、自然なレスポンスと、中高回転域での伸びやかな加速感を両立するそう。なお、トランスミッションはAMGスピードシフトの8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)。
もう1台の「GLA 45 S」は、世界で最もパワフルな2.0L直列4気筒ターボエンジンを心臓部に持ち、最大過給圧2.1bar(バール)となるターボは最高出力421PSを発生し、最大トルクは500Nmを発揮。
同エンジンは従来とは異なり、ターボとエグゾーストマニホールドがエンジン後方に配置され、インテークマニホールドなどの吸気系がエンジンの前方に配置されます。エンジン搭載位置を下げることが可能になり、ハンドリングに貢献するだけでなく、空力面の利点もあるそう。
さらにターボのコンプレッサーとタービンのシャフトには、「AMG GT 4ドアクーペ」の「63 S」に採用されているローラーベアリングが使われており、これによりターボ内の機械的摩擦が低減され、レスポンスが向上。短時間で最高回転数に到達するようになっています。
また、電子制御ウエストゲートによって過給圧をより正確かつ柔軟に制御することが可能になり、最大過給圧2.1barと、クラス最高の値を実現。ターボチャージャーの冷却にはオイルと冷却水だけではなく外気も利用するため、エンジンカバーをエアディフレクターとして働くよう設計されると共に、ボンネット下にダクトが設けられています。
●新生ハイパフォーマンス・コンパクトSUVの価格は?
標準装備の「AMG RIDE CONTROL サスペンション」は、サスペンションを制御する3つのモードをドライバーが選択することができます。
快適志向からスポーツ性を強調したものまで、それぞれ異なるセッティングとなるそう。システムは走行状況や路面の状態に応じて各ホイールに対する減衰力を100%自動で調整されますが、この調整は連続可変式で、減衰特性を広い範囲にわたって変化させます。これにより、俊敏性と快適性の両立が可能としています。
4WDシステムの「AMG 4MATIC+」はトルクの前後配分が状況に応じて連続可変制御されます。トルク配分比は、前後「100:0」から「50:50」までの範囲で可変。トルクの前後可変配分を担うのは、リヤアクスルの伝達装置に内蔵された多板クラッチ。さらに、新型リヤディファレンシャルに内蔵された「AMG TORQUE CONTROL」は、電子制御式の多板クラッチを2つ備え、それぞれが左右のドライブシャフトに接続されています。
これにより、前後だけでなく左後輪と右後輪の間でも状況に応じたトルク配分を行うことができるようになったそう。路面状況が悪いシーンやサーキットにおける限界でのコーナリングなどにおいても常に最適なトラクションが得られるようになったそう。
両モデル共に専用エクステリア、インテリアデザインや強化されたブレーキなどももちろん備わり、SUVの利便性と「AMG」にふさわしい質感やスポーティネスが与えられています。
価格は「メルセデスAMG GLA 35 4MATIC」が707万円。「メルセデスAMG GLA 45 S 4MATIC+ 」が900万円。
ボディサイズは(GLA 45)全長4440×全幅1850×全高1585mmと比較的扱いやすく、狭い駐車場や道路事情でも対応できるというケースも多そうです。コンパクトハイパフォーマンスSUVを探している方は、選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
(塚田勝弘)