■オープニングラップからいきなりセイフティーカー!
10月4日午後、静岡県の富士スピードウェイでえ開催された2020 AUTOBACS SUPER GT第5戦『たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE』の決勝レース。
今年はコロナ禍の影響で、前戦のもてぎまで4戦が無観客での開催となりましたが、この第5戦は大会運営・サーキット関係者・チーム関係者・サプライヤーそして筆者も含めたメディア関係者など、総勢約1500名という大規模なPCR検査でサーキットのパドックにいる全員が新型コロナウイルス感染症において陰性であるとした上で、入場人数の制限などがあるものの観客動員による開催を実現しました。
そんな第5戦富士の決勝レースが、観客の見守る中の13時30分にフォーメーションラップからスタートしました。
順調に切られたかに見えたスタートですが、GT500クラスのマシンがTGRコーナーで接触。一台がボンネットを吹き飛ばす!というアクシデントでスタート周からセイフティーカー(SC)が導入されてしまいます。
SCが解除される順位の入れ替えはありません。しかしSC解除の5周目からレースは揺れ動きます。56号車リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rがガンガン前に出てきます。
6番手スタートだったリアライズ 日産自動車大学校 GT-RはSC解除後すぐに4番手浮上。そして9周目に61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTを抜いて3番手。15周目にはなんと6号車 ADVICS muta 86MCを抜いてトップに躍り出ます。
■明暗を分けたタイヤ交換の本数
21周を過ぎたころに徐々にピットインが始まっていき、ドライバー交代とタイヤ交換が行われます。序盤でトップを走ったリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは29周目にピットインし、タイヤは4本を交換します。
33周目までピットインを遅らせる作戦をとった52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTはタイヤ無交換作戦に出ます。
トップの52号車はタイヤ無交換ではタイムが伸びません。アウトラップでは10秒近くあったリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rとのアドヴァンテージですが毎周1秒単位で削られていきます。
そしてリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは47周目のTGRコーナーでついに埼玉トヨペットGB GR Supra GTを抜き去りトップへ!
トップとなったリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rはその後もペースを緩めずに後続を引き離していきます。
そしてゴール!
2019年もシリーズランキング6位でポイントの取りこぼしが1レースしかない強い印象があったリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは、GT300クラス参戦2年目にして実は初優勝。
オリベイラ選手にとってもGT300での初優勝。そして藤波選手はは2019年第5戦富士500マイル以来1年ぶりの優勝となりました。
2位には、2位争いをする埼玉トヨペットGB GR Supra GTと LEON PYRAMID AMGの隙をついて2台抜きで上り詰めた55号車 ARTA NSX GT3。
3位にはLEON PYRAMID AMGが入り、シリーズランキングトップに躍り出ました。
この第5戦でシリーズランキングが大きく変動し、この先の残り3戦のチャンピオン争いに大きな影響を与えたようです。
次戦の鈴鹿は10月24~25日に観客動員で開催されます。販売枚数は限られてしまいますが、行ける方はぜひ現地で応援をしてみましょう。
(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)