■自動発進付ACCや歩行者飛び出し検知機能付アクティブブレーキアシストを用意
予防安全装備を中心とした先進安全装備の充実化が軽自動車やコンパクトカーでも広がっています。
メルセデス・ベンツは、2020年9月17日、コンパクトモデルであるAクラス、Aクラスセダン、Bクラス、CLA、CLAシューティングブレークに、従来はオプションだった先進安全運転支援システム 「レーダーセーフティパッケージ」を標準装備(AMGモデルは従来から標準)すると明らかにしました。
同日から予約注文の受付が開始され、デリバリーの開始は、CLA(クーペ/シューティングブレーク)は同年9月下旬頃から、そのほかのモデルは、同年10月以降に順次開始される見込みです。
「レーダーセーフティパッケージ」には、まず「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付)」が備わります。ステレオマルチパーパスカメラとレーダーセンサーにより、高速道路などの走行時に先行車を認識して、速度に応じて車間距離を調節するアダプティブクルーズコントロール。
先行車が停止した場合は、自車も停止。また、停止している先行車の検知も新たに可能になったそう。先行車、停止中の車両との距離が突然縮まった際には、警告灯と警告音でドライバーに知らせる機能も用意されています。
また、約20〜210km/hで対応する自動再発進機能も備わり、高速道路での渋滞時に自動停止した際、30秒以内に先行車が発進した場合であれば、アクセルを踏まなくても自動で再発進します(一般道では3秒以内)。30秒以上停止していたケースでは、アクセルを軽く踏むかステアリングスイッチを使っての再発進が可能。
渋滞時緊急ブレーキ機能も搭載されています。ステレオカメラとレーダーで、先行車と左右の車線を監視し、突然渋滞の最後尾が現れた際などに、前走車との衝突の危険を検知する機能です。
左右などに回避スペースがないと判断すると、即座に自動ブレーキが作動し、衝突回避または被害軽減が図られます。回避スペースがある場合には、ドライバーの回避操作を優先。ただし、ドライバーが反応しない、または回避操作が遅れて衝突が回避できないと判断した場合には、即座に自動ブレーキが作動します。
さらに、渋滞末尾で回避操作を行う余裕がない危険なケースでは、通常よりはるかに早い段階でブレーキを自動で作動する機能も搭載されています。
そのほかにも、自動車線変更である「アクティブレーンチェンジングアシスト」、ドライバーが一定時間ステアリング操作を行わない場合、警告灯と警告音によってステアリングを握るよう促し、それでもドライバーによるステアリング、アクセル/ブレーキ、タッチコントロールボタンの操作の反応がないケースでは、さらに警告音を鳴らしながら、緩やかに減速して停止する「アクティブエマージェンシーストップアシスト」も用意。
さらに、歩行者の飛び出しをはじめ、交差点での車両飛び出しにも対応する「アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し検知機能付)」、ドライバーのステアリング操作をアシストし、車線に復帰するアシストも付く「緊急回避補助システム」、標識認識の「トラフィックサインアシスト」、車線維持機能の「アクティブレーンキーピングアシスト」「被害軽減ブレーキ付後方衝突警告システム」、車両前方もしくは後方1m以内に障害物があり、その方向に進むギアを選択した場合、アクセルを強く踏んでも時速2km/h以上の速度が出ず、警告音によりドライバーに誤操作の可能性があることを警告する「ドライブアウェイアシスト」など、先進安全装備が満載されています。
また、今回の一部改良を機に、Aクラス、Aクラスセダンのホイールデザインも変更されています。価格はAクラスが363万円〜436万円。Aクラスセダンが373万円〜516万円。Bクラスが422万円〜452万円。CLAが472万円〜565万円。CLAシューティングブレークは483万円〜575万円となっています。
(塚田勝弘)