ロールス・ロイス 新型ゴーストが世界初公開! ボディパネルをオールアルミ化

■エクステリアは、シンプルさを極めたスタイル

ロールスロイス ゴースト
世界初公開されたロールスロイスの新型ゴースト

2020年9月1日、ロールスロイスは、新型ゴーストを世界初公開しました。新型ゴーストが初代ゴーストから受け継いだコンポーネントは、エンブレムの「スピリット・オブ・エクスタシー」とアンブレラ(傘)だけという、文字通りの新規開発モデルとしています。

初代ゴーストは、同ブランドの116年の歴史上で最も成功したモデルになったそうです。ゴーストの成功は、ロールス・ロイス・ブランドが生産規模を拡大させ、現在のようなグローバルブランドとしての地位を獲得するため、重要な役割を果たしたとしています。

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新型ゴーストのリヤビュー

新型ゴーストのエクステリアは、「シンプルさを極めたスタイル」を掲げ、それでいながら、ロールスロイスらしく、本質的な魅力が表現されているクルマを目指したとしています。

■571PS/850Nmを誇る6.75LのV12ツインターボを搭載

ロールスロイス
新型ゴーストのフロントビュー

フラッグシップのファントムと、SUVのカリナンに採用されている自社開発による「アルミニウム・スペースフレーム・アーキテクチャー」を使って仕立てられた新型ゴースト。スペースフレーム構造は、柔軟性と拡張性を備え、これにより新型ゴーストに求められる独自の美しさと機械的な要求に応えることができるそうです。また、優れた静粛性や高いボディ剛性、運動性能を実現したとしています。

搭載されるエンジンは、6.75LのV12ツインターボで、571PS/850Nmという圧倒的なアウトプットを生み出しています。新型ゴーストでは2つの鋳造されたサスペンション・マウント・アセンブリーをできる限り前方に配置させ、6.75LのV12エンジンをフロントアクスルの後方に搭載することで、理想的「50:50」の前後重量配分を実現したそう。

ボディサイズは初代よりも全長は89mm長い5546mmに、全幅も30mm拡幅され、2mに迫る1978mmになっています。

二重構造のバルクヘッドとフロア構造のパッケージングも大幅に刷新されています。これらの変更は、4WDや四輪操舵システム、設計を一新したプラナー・サスペンション・システムを搭載するための対策で、定評あるロールス・ロイスの「マジック・カーペット・ライド」(魔法の絨毯のような乗り心地)がさらに進化。加えて、コーナリング性能を確保するための低重心を損なうことなく達成したとしています。

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後席前にはウッドテーブルなどを用意

リヤには、5リンク式が採用され、セルフレベリング式大容量エアサスペンション技術に加えて、後輪操舵システムも採用されています。前後アクスルはプラナー・ソフトウェアで制御され、新型ゴーストのほかのサスペン ション・テクノロジーの制御も担い、四輪駆動、四輪操舵、スタビリティコントロール、自己乾燥式ブレーキの各システムを連携。

こうした制御により路面状況やグリップレベルの変化に車両が一体となって対応し、高い運動性能を維持できるようサポートするそう。

また、ボディパネルはオールアルミ化、Aピラーからルーフを越えてリヤエンドに向かってシームレスに流れるような曲線を描いています。印象的なフォルムは、一体型のようにコーチビルドされたシルバー・ドーンやシルバー・クラウドを彷彿とさせるクリーンで張りのあるひとつのパーツとして表現されています。

さらに、流れをさえぎるシャットラインのないシームレスなボディは、フロントからリヤに見る者の視線を誘導させます。これを実現するために、職人がボディを同時に手作業で溶接し、シームレスな面を構築。ドアはアルミニウム製でレーザー溶接され、重量面でのメリットと驚異的な剛性が得られたそう。アルミニウムは、スチールよりも音響に対する抵抗値が低いため、キャビン環境の改善にも寄与するとしています。

●マイクロ環境浄化システムでキャビン内を常にきれいに保てる

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つなぎ目のないシームレスな面を実現する

また、新型ゴーストではドアを開ける際にもパワーアシストが用意されています。車両から降りた後、アウタードアハンドルにあるボタンを押すだけで、自動的にドアが閉まります。ドアを手で押して閉めるときもパワーアシストが作動。車載の前後方向、横方向センサーと、各ドアに取り付けられた重力加速度センサーにより、坂道や傾斜のある場所に停車した場合でも、ドアは常に同じ速さで開閉します。

機能面では、新しい「マイクロ環境浄化システム(MEPS)」の搭載がトピックス。既存の空気ろ過技術をさらに発展させ、ハードウェアとソフトウェアのすべてが改善されています。高感度の不純物センサーを導入して外気の質を検出し、空気中の汚染物質が許容レベルを超えると、自動的に外気導入から内気循環にモードに切り替わります。

キャビン内の空気はナノフリース・フィルターに誘導され、車内の空気から極めて微細な粒子とバクテリアのほぼすべてを2分以内に除去することが可能だそう。

安全、快適装備では、照射距離600m以上を誇るLEDレーザー・ヘッドライトをはじめ、昼夜共に野生動物や歩行者を検知して警告する機能等を備えたビジョン・アシスト、アラートネス・アシスタント、パノラミックビュー/全方位視界/ヘリコプタービュー機能を併せ持つ4カメラシステム、アクティブクルーズコントロール、衝突警告、交差交通警告、車線逸脱/車線変更警告、7×3インチ高解像度ヘッドアップディスプレイ、Wi-Fiホットスポット、自動駐車システム、最新型ナビゲーションシステムおよびエンターテイメントシステムが用意されます。

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新型ゴーストのインテリア

重要なポイントであるインテリアをチェックしましょう。インテリアには1台あたり20枚のハーフ・ハイド レザーが使われ、最も厳しい品質管理を経て選別され、338枚(見えない箇所に使われるものも含む)のパネルはすべて最高品質で仕上げたと胸を張ります。

新型ゴーストのインテリアには、凝った複雑なステッチはあえて使わず、驚くほど長いステッチを完全に真っ直ぐに縫い上げ、顧客の審美眼にかなうレベルに仕上げるために、ロールス・ロイスが長年培ってきたレザークラフトの高度な技術が活かされているそうです。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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