塚田勝弘 
■長時間の航行でも疲労を低減させ、高い快適性を確保
ヤマハ発動機は、全長33フィート（10.10m）の新型フィッシングボート「YFR330」を2024年10月に発売します。「YFR」シリーズは、外洋向けフィッシングボート。新発売となる「YFR330」は、ボートで釣りを楽しみたい人々に、出港から移動、実釣、休息、帰港まで、「より充実した釣り時間の提供」をコンセプトに掲げて開発されたフィッシングボートです。
新設計されたハル（艇体）は、高い巡航速度と快適な乗り心地が両立されています。ソフトな波たたきと波被りの少なさを高次元で実現し、長時間の航行でも疲労を低減させ、高い快適性を実現。
さらに、ボートフィッシングに求められる静止時安定性と風流れ抑止性能が確保されるほか、大人数でのフィッシングシーンが想定された釣りやすいデッキレイアウトなど、高度な機能性を備えています。
エクステリアデザインは、しなやかな曲線を描くガンネルラインやダイナミックな造形のブリッジが特徴で、船外機との統一感がある洗練された雰囲気を漂わせています。
インテリアは、5名が快適に着座できる居住スペースをはじめ、ドライバーズシートとパッセンジャーシートからの視界をも意識したというウインドウデザインが採用されています。
バウバース（室内船首側スペース）は、コンテナボックスなどを収納しやすいレイアウトが採用され、中央部に大人が横になることができ、長尺物の収納スペースとしても活用できるミドルバースも配置されています。
また、ヤマハ船外機「F450A」の搭載により、大容量の発電機能を確保。各種電子機器の使用はもちろん、エアコンの長時間稼動も可能です。
ドライバーズシートに面するインパネには、7インチのGARMIN製マルチ液晶ディスプレイを標準装備。インパネ上部には同じくGARMIN製12インチのディスプレイ2基分の設置スペースが確保されています。
また、キャビン入り口に室外からでも操船が可能なアフトステーションを配置。7インチのディスプレイは標準装備、オプションで12インチのディスプレイも設置できます。アフトステーションには、「ヘルムマスターEX」のジョイスティック、オートパイロット、またスラスターのコントローラーも備わります。さらに、清掃性や意匠性に優れたライナー構造の内壁など、機能的で上質な空間が演出されています。
推進器には、ヤマハ発動機のラインナップで、最大馬力となる450馬力の4ストローク船外機「F450A」を日本国内艇で初採用。新開発のハルと合わせて、卓越した走行性能を発揮。最新の操船デバイス「HELM MASTER EX（ヘルムマスターEX）」により、高度な操船性能も備えているそうです。
そのほか、装備では、650Lの大型燃料タンクが用意されています。清水シャワーや各部レール、航海灯など、長距離釣行に対応し、船上での時間を快適にする各種設備を標準装備。さらに、静粛性、操作性に優れ、レバーの操作に応じて出力が可変するスラスター（離着岸アシスト機能）も標準装備されています。
パッケージ仕様、オプションも充実。陸電供給ソケット、レーダーベース、ローマストスパンカー、スカイライトハッチ、ジャイロセンサーにより航走時の姿勢を自動制御するオートフラップ「ZIP WAKE（ジップウェイク）」など、豊富な装備品をパッケージ仕様、またはオプション品（工場／用品）として設定されています。
●サイズ：全長10.10m×全幅2.99m
●船体質量：3296kg
●完成質量：4118kg
●定員：10名
●搭載エンジン：F450AVT2U
●最大搭載馬力：450PS
●燃料タンク：650L
●使用燃料：無鉛プレミアム
●航行区域：限定沿海
●価格「YFR330（Aパッケージ）」：3505万8397円、「YFR（スタンダード）」：3175万8397円
（塚田 勝弘）
【関連リンク】
ヤマハ発動機「YFR330」
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/boat/yfr330/
