■400ボルトから800ボルトの電気システムにアップグレード
メルセデス・ベンツの電動フラッグシップサルーン「EQSセダン」改良型プロトタイプを、カメラが初めて捉えました。
初代である現行型EQSは、EV専用プラットフォームが搭載されたメルセデス・ベンツ初のモデルで、Sクラスに相当するフラッグシップEVセダンとして位置づけられているモデルです。2019年のフランクフルトモーターショーにて「Vision EQS」として公開、2021年に販売が開始されており、これが初の大幅改良となります。
捉えたプロトタイプは、ボディ前後をカモフラージュしているため、デザインのディテールは不明です。注目はヘッドライトで、形状こそ変化はありませんが、内部にスリーポインテッドスターをモチーフとしたLEDデイタイムランニングライトが配置されています。
また、弟分と差別化する全幅LEDライトバーを維持するとみられます。さらにグリル中央には、拡張された自動運転機能のアプリケーションをサポートする、より大きなレーダー開口部を収容しているように見えます。
改良型の最大の目玉は内部にあります。噂によると、メルセデス・ベンツは2025年からEQEおよびEQS電気モデルを400ボルトから800ボルトの電気システムにアップグレードし、200kWを超える充電容量を可能にするといいます。システム電圧800ボルトへの切り替えは、「EVA2」プラットフォームのメジャーアップグレードの一部であり、EVA2プラットフォームは「EVA2M」と呼ばれます。
現在の「Valeo」(ヴァレオ)モーターは、メルセデス・ベンツが自社開発した800ボルトの車載電気システムで動作する「eATS 2.0ドライブ」に置き換えられます。またEVA2Mは、新しい 「SiC」パワーエレクトロニクスと、新しいタイプのバッテリーセルを採用、 SiCパワーエレクトロニクスだけでも、熱損失が少ないため、航続距離が5%増加するといいます。
革命的な進化を見せる「EQSセダン」改良型のワールドプレミアは、2025年内と予想されています。