ホンダが新型CR-VのFCEV(燃料電池車)を世界初公開へ【第21回 SMART ENERGY WEEK 春】

■無人潜水機「作業用ROV(Remotely operated vehicle)コンセプトモデル」も世界初公開

ホンダは、2024年2月28日(水)~3月1日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「第21回 SMART ENERGY WEEK 春(SMART ENERGY WEEK)」の出展概要を発表しました。同イベント内での「WIND EXPO」で作業用ROVコンセプトモデルが、「H2&FC EXPO」で新型FCEVの量産モデルが世界初公開されます。

「Honda eMaaS」のコンセプト図
「Honda eMaaS」のコンセプト図

世界初公開されるのは、無人潜水機「作業用ROV(Remotely operated vehicle)コンセプトモデル」で、洋上風力発電のメンテナンスなど水中作業に活用可能な遠隔操作型であるのが特徴です。

操縦者のマニピュレーター操作に合わせて、ROVが自動で移動・旋回するホンダ独自の「マニピュレーター・ROV協調制御」や、浮心と重心のずれを自動で制御することでROV本体の姿勢を保つ「浮心・重心制御機構」、水流から受ける力を軽減する「流体抵抗低減ボディー形状」により、操縦者は水流などの外乱に影響を受けず、ROVを利用した高度な作業が可能。

作業用ROVコンセプトモデル
作業用ROVコンセプトモデル

燃料電池モジュールの4つのコアドメインでの活用や最新の取り組み事例が紹介されるほか、ワールドプレミアされる新型燃料電池自動車(FCEV)の量産モデルは、CR-VベースのFCEV。すでに2023年のスーパー耐久シリーズ最終戦などでカモフラージュが施されたプロトタイプが披露されています。

CR-Vベースの新型FCEVの量産モデルは、北米で販売されているCR-Vがベース。GMとの共同開発による燃料電池システムが搭載されています。

同システムは、GMとの共同開発による燃料電池システムがベース。最大出力80kWを有する外販用モジュールです。このモジュールに組み込まれる燃料電池システムは、2019年モデルの「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」に搭載されていた燃料電池システムに対して、コストを3分の1にしながら、耐久性は2倍に引き上げられています。耐低温性も大幅に向上しているそうです。「H2&FC EXPO」では、ホンダ最新の燃料電池の仕組みが動画でわかりやすく紹介されます。

Honda燃料電池モジュール プロトタイプ
Honda燃料電池モジュール プロトタイプ

CR-V FCEVは、短時間の燃料充填で長距離を走行できるFCEVの美点に加え、プラグイン機能により、家庭で充電できるEVの利便性も兼ね備えています。日米で発売が今年中に予定されています。

そのほか、スマートグリッド展では、着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパックイー)」の活用事例も展示されます。

同社は、2050年にホンダが関わるすべての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラル実現を掲げています。製品だけでなく、企業活動を含めたライフサイクルでの環境負荷ゼロの実現に向けて、「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」の3つを柱に推進。

その中でも、カーボンニュートラルの実現に向けて、電動モビリティとエネルギーサービスをつなぎ「自由な移動の提供」と「再生可能エネルギーの利用拡大」に貢献する「Honda eMaaS(イーマース)」コンセプトを掲げています。

「モバイルパワーパックの活用拡大」「車載大容量バッテリーの活用」「FC(燃料電池)システムの応用と展開」という3つのテーマを軸に推進。

今回の「SMART ENERGY WEEK」では、洋上風力発電メンテナンスを通じてクリーンエネルギー創出に貢献する作業用ROVの取り組みに加え、「Honda eMaaS」コンセプトの一環であるモバイルパワーパックとFCシステムに関連する取り組みも紹介されます。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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