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■航続距離はグレードにより、456km、541km、625kmと異なる
ヒョンデのバッテリーEV(BEV)であり、コンパクトSUVでもあるKONA(コナ)は、日本でも取り回ししやすいサイズで、上級のアイオニック5よりもより幅広い層に訴求するモデルになっています。
航続距離は、「Casual(カジュアル)」が456km、「Lounge(ラウンジ)」グレードが541km、「Voyage(ボヤージュ)」が625kmと、日常使いはもちろん、ロングドライブでも不安を抱かせない距離を確保。ニーズに応じて選択できるようになっています。
価格帯も399万3000円〜489万5000円と、BEVの中でも戦略的な設定で、価格競争力の高さが際立っています。
なお、CEV補助金は65万円で、東京都の場合はさらに45万円など、地方自治体によっては補助金が受けられる地域もあります。
ボディサイズは全長4355×全幅1825×全高1590mm(ルーフアンテナを含む)で、ホイールベースは2660mm。最小回転半径は5.4mで、日本の狭い道路や駐車場事情にもマッチするサイズに収まっています。
なお、サイズが近いのは、BYDのATTO 3(アットスリー)で、全長4455×全幅1875×全高1615mm。最小回転半径は約5.3mとアナウンスされています。
ヒョンデ・コナよりも少しコンパクトになるプジョーe-2008は、全長4305×全幅1770×全高1550mm、最小回転半径5.4mとなっています。
●操作性、とくに純正ナビゲーションの視認性や使い勝手は秀逸そのもの
コナは積極的なTVCMも打っていましたので、見た方も多いと思います。特徴的なのがピクセル化されたシームレスホライゾンランプ、ホイールアーチに埋め込まれたような前後ライトで、最近の輸入車の中では、アイオニック5を含めたヒョンデ、中国のBYD各モデルにも見られ、個人的には、異国情緒たっぷりに感じられます。
こうしたディテールに目を奪われる一方で、コナのシルエットは、比較的オーソドックスな線を描いているようにも映ります。
一方のインテリア。インパネの形状も比較的オーソドックスである一方で、あえてハードスイッチを多く残すことで使い勝手にも配慮されています。ハードスイッチは最近のモデルとしては多いように感じられますが、初めてでも操作に戸惑うことはほとんどありませんでした。
また、視認性に優れたARナビを搭載する純正ナビゲーションの操作性も良好そのものです。目的地や検索、設定などの操作が分かりやすく、秀逸な出来のナビも含めて、初めてでも迷わずコントロールできます。
輸入車の中では、独特の操作方法を採用しているフォルクスワーゲンの純正ナビなどよりも、操作しやすいといえるでしょう。
●最新のインフォテイメントとソフトウェアアップデートにも対応
そのほか、無線技術を使ったOTA(Over-the-Air)により、インフォテイメント、ソフトウェア、地図、車両ソフトウェアなどのアップデートにも対応。
スマホやスマートウォッチの近距離無線通信(NFC=Near Field Communication)を使えばデジタルキー(NFCカード付)でロック、アンロック、車両の指導などが可能です。
もちろん、「Apple CarPlay」「Android Auto」にも対応し、スマホの2台同時ペアリングもでき、通話用、音楽ストリーミング用と使い分けることができます。
コネクティビティではさらに、「Bluelinkコネクテッドカーサービス」の最新バージョンが搭載されていて、音声による操作や、ドライブ中に充電ステーションに立ち寄ってからの目的地までの最適なルート検索も容易にできます。
ナビの地図上に表示される充電ステーションには、AC(交流普通充電)かDC(直流急速充電)なのか、そもそも利用可能かどうかなどのほか、充電予定時間なども表示されます。
「Bluelinkアプリ」を使うと、航続距離、バッテリー状態、充電時間が表示されるだけでなく、オフピークの電気料金を最大限活用することで、気になる電気代を抑制することも可能。さらに、スマホ・アプリにより充電を開始、停止ができ、外部電源に接続した状態で暖房の設定、予約もできます。
もちろん、給電にも対応しています。「V2L」機能により家電やアウトドア用品などに電力の供給が可能で、リヤのセンターコンソールにある100Vコンセントに家電などを接続できます。
そのほか、「Boseプレミアムサウンドシステム」とサブウーファーにより高品質なサウンドも享受でき、USB-C充電器も前後に配置されています。
また、コンパクトサイズであっても前後シートともにサイズに余裕があり、後席足元、頭上空間も含めてゆったりしているのも印象的です。身長170cmくらいの人が4人乗車しても窮屈感を抱かせないはずです。
後席は6対4分割可倒式で、荷室容量は内燃機関仕様(ICE)の先代よりも30%増となる通常時466Lを確保。後席をすべて前倒しすれば最大で1300Lという容量を誇るほどです。実際にテールゲートを開けると、全長4355mmの割には、荷室の奥行きがあると実感できるはずです。
●価格
「KONA Casual」:399万3000円
「KONA Voyage」:452万1000円
「KONA Lounge」:489万5000円
「KONA Lounge Tow-tone」:489万5000円
(文・写真:塚田勝弘)