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■ランクルファンにしっかり寄り添うのがトヨタ車体
トヨタ・ランドクルーザーシリーズの開発・生産を担当するのがトヨタ車体です。
振り返ってみると昨年来、プラド後継車である新型ランクル250の発表やランクル70の再々販など、ランクルを取り巻くニュースが多い昨今。トヨタ車体にも追い風が吹いています。
企業としてユーザーとのタッチポイントの必要性を感じたと、同社がユーザーとふれあう領域にトライした実店舗「ランクルBASE」を愛知県刈谷市にオープンしてから1年が経ちました。
「いつもファンの皆様に集っていただき、語らいの場となっております」(広報担当者)ということで、すっかり「聖地」として確立された様子。そして、メーカーへ要望をダイレクトに伝えることのできる貴重な場として機能しているようです。
東京オートサロン2024のトヨタ車体ブースは、まさにこの「ランクルBASE」の”出張所”といった体裁で、全国からランクルファンが集っていました。
ブースの主役はもちろん2台のランクルです。マットブラックとマスタードイエロー、カラーリングの対比が鮮やかです。
●日本では手に入らない海外仕様純正部品で機能と見た目を向上、ランクルBASEカスタム「ブラッククルーザー70」
全身がマットブラックに包まれた70は、その名も「ブラッククルーザー」。車体に貼られたデカールには和名「黒船」と描かれています。
コンセプトは「多彩な海外仕様純正部品を選りすぐって装備。モダン&タフ・ファンクショナルスタイルカスタマイズ」とされ、国内で流通していない純正パーツが装着されています。
信頼性の高い純正パーツで、かつ「他車とちょっと違う」という差別化も図れる、ランクル乗りにとって見逃せない内容です。
今回、装着されている純正パーツは、シュノーケル、メッキ仕様のサイドミラー、フロントのウインチです。どれも食指が動くオーナーが多いことでしょう。
こちらのブラッククルーザーですが、ランクルBASEに寄せられたファンの声を元に企画立案されたとのこと。
「ファンの皆さんのナマの声をベースにできて光栄です。さらに新たなファンを掘り起こしておきたいです」(同)とのことです。
これら海外仕様純正パーツは、今年半ばをめどにランクルBASEにて取り扱いを開始するべく準備中とのことです。
●レトロボディに、信頼の現行シャーシを合体「Land Cruiser 40×LAND CRUISER 70」
もう1台は「ランドクルーザー40×ランドクルーザー70」です。ナナマルのベアシャーシに、ヨンマルのボディを合体させるという仰天のコンセプトですが、東京オートサロン出展は2回目となります。
前回の出展時から各部をブラッシュアップし、なんとナンバーを取得し公道を走れるように仕立て上げました。
開発は、困難を極めました。ラジコンのスケールモデルのように、ウワモノをパカっと乗せるようにいくはずもありません。40のアッパーボディを3Dスキャンし、70のシャシーと結合させるベストな位置、形状を探りました。
電装系も両車とも電圧が異なるので、昇圧機などをワンオフで製作しました。
また前回出展時は、40のボディをそのまま載せたため、ラジエターなど冷却系のスペースを確保することができませんでした。
今回は、ボンネットとフェンダーを165mm延長、それもごく自然な姿にボディ加工がなされています。
こうした苦心の末、1978年製のアッパーボディと2002年製のベアシャーシが融合したのが、このコンセプトモデルなのです。
「長く、安心して、楽しく乗り続けたい」というオーナーの要望に応える企画意図ではありますが、残念ながらメニューとしてリリースされることはないとのことです。
しかし、ランクルを隅から隅まで知り尽くし、いざとなればこうした芸当ができてしまう高い技術力があるのがトヨタ車体なのです。
●ランクルの世界観をファッションの領域でもアピール
そして、TEAM LAND CRUISER TOYOTA AUTO BODY(TLC)として、ランクル300でダカールラリーにも参戦しているのがトヨタ車体です。過酷な舞台でタフな性能を磨いています。そのヘビーデューティなイメージを反映したアフターパーツも多く取り扱っています。
アパレルやアクセサリーなど小物類も充実。ブース内のポップアップショップでは、女性からの「かわいい~」の声も多く聞かれ、レジには行列ができていました。
今回、東京オートサロン2024に出展されたこれら車両・展示物は、ランクルBASEでも見ることができます。初めての人も、ぜひ出掛けてランクルの世界観にふれてみましょう。
(文・写真:畑澤 清志)
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