ホンダ・ワークス「CRF450ラリー」を駆るリッキー・ブラベック選手が、世界一過酷な「ダカールラリー2024」で総合優勝

■総走行距離7967kmのハードなレースを制する

世界一過酷なモータースポーツ競技として知られる「ダカールラリー2024」で、2輪車部門に参戦したホンダ・ワークス「モンスター・エナジー・ホンダ・チーム」のリッキー・ブラベック選手が、総合優勝を果たしました。

世界一過酷なモータースポーツ競技で、2度目の総合優勝を果たしたブラベック選手
世界一過酷なモータースポーツ競技で、2度目の総合優勝を果たしたブラベック選手

FIA/FIM世界ラリーレイド選手権(W2RC)の開幕戦となる今大会では、広大な砂漠が広がる中東・サウジアラビアが舞台。2024年1月5日に北西部アルウラをスタートし東部へ。その後、折り返して2024年1月19日に西部のヤンブーでゴールするというルート。

総走行距離7967kmという過酷なレースで、ホンダのワークスマシン「CRF450ラリー」を駆るブラベック選手は、2020年以来となる自身2度目の勝利を手中にしました。

●伝説の「パリダカ」を継承する大会

ダカールラリーとは、1979年から開催されている「パリ・ダカール・ラリー」の現代版といえるイベントです。

これは、「パリダカ」の愛称で親しまれた伝説のラリー競技で、もともとは、フランスのパリをスタートし、アフリカ⼤陸のサハラ砂漠を超え、セネガル共和国の⾸都ダカールをゴールするルートを採用。

ブラベック選手の走り
ブラベック選手の走り

砂漠から泥濘(でいねい)地、山岳地帯など、さまざまな路面を走破するほか、厳しい暑さの中で1日に800km以上を走行することもあることで、世界一過酷なモータースポーツ競技といわれたイベントです。1990年代初頭には、日本でも民放テレビなどで放映されていたので、当時を知る人にはおなじみだったラリー競技ですね。

ところが、開催地域の政情不安により2008年には開催中止に。2009年から2019年は開催地が南⽶へ変更になった後、2020年からは中東・サウジアラビアでの開催に。始まった場所であるパリ・ダカールからは離れていますが、今でも大会名に「ダカール」の名を使うことで、その伝統や伝説を引き継いでいます。

ホンダ・ワークス「モンスター・エナジー・ホンダ・チーム」
ホンダ・ワークス「モンスター・エナジー・ホンダ・チーム」

また、ダカールラリーは、2022年から始まった世界ラリーレイド選手権(W2RC)にも組み込まれています。

この選手権は、4輪車と2輪車それぞれの部門があり、世界各地の過酷なコースを転戦しながら、最強のライダーやドライバーを決めるというもの。2024年シーズンでは、全5戦の開幕戦としてダカールラリーを開催。サウジアラビアを横断するルートを通り、2024年1月5日から1月19日までの期間に開催されました。

●ホンダにとっても2021年以来3年ぶりの勝利

今回総合優勝を果たしたブラベック選手は、アメリカ出身・32歳のベテランライダー。2016年からチームHRC(現在のモンスター・エナジー・ホンダ・チーム)に所属し、ダカールラリーに参戦しています。

総走行距離7967kmを見事走破し、総合優勝を手にしたブラベック選手
総走行距離7967kmを見事走破し、総合優勝を手にしたブラベック選手

2024年のダカールラリーでブラベック選手は、全12ステージに分けられた各セクション中、第6ステージで総合首位に。その後のステージでも、堅実な走りで総合首位を守り続け、2位と10分53秒差で優勝。2020年にも総合優勝を果たしているので、今回で自身2度目の栄冠を獲得したことになります。

ちなみに、ダカールラリーでの勝利はホンダにとっても2021年以来3年ぶり。ホンダは1981年のパリ・ダカール・ラリー第3回大会から参戦し、1986年に当時のワークスマシン「NXR750」で優勝。1989年まで4連覇を果たす活躍をみせています。

その後、1990年からは参戦を休止しますが、2013年に、南米で開催されたダカールラリーにCRF450ラリーで復帰。開催地が南米からサウジアラビアに移ってからは、2020年に初の総合優勝を獲得し、2021年にも連覇を果しています。

エイドリアン・ヴァン・ベバレン選手やホセ・イグナシオ・コルネホ選手もトップ10入り
エイドリアン・ヴァン・ベバレン選手やホセ・イグナシオ・コルネホ選手もトップ10入り

ちなみに、今回のダカールラリーでホンダ・ワークスは、ほかにも、エイドリアン・ヴァン・ベバレン選手(フランス、33歳)が3位、ホセ・イグナシオ・コルネホ選手(チリ、29歳)が6位に。トップ10に3名のライダーが入る好成績を残しています。

(文:平塚直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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