■汎用性の高さを感じさせるヤマハ発動機の小型低速用EVプラットフォーム
今回、初めて東京オートサロンに出展したヤマハ発動機は、小型低速EVのプラットフォーム、同プラットフォームをベースとした協業パートナーと開発中の多彩なコンセプトモデルを披露しました。
今までの車やオートバイ、自転車などの移動手段に加えて、電動キックボードなどの新たなモビリティが続々と誕生しています。今後はさらに年齢や用途を問わず、より幅広い分野で小型低速EVが広がるかもしれません。
ヤマハ発動機が開発中の小型低速EVのプラットフォーム「YAMAHA MOTOR PLATFORM CONCEPT」は、自社製モーターと「Honda Mobility Power Pack e:」が搭載されています。車体やバッテリーを複数連結可能で、高い汎用性を備えています。
ブース中央のステージには、イエローとブラックの2トーンが目を惹く「Concept 580」を配置。畑や不整地などの多様な路面で敏捷な機動力を発揮し、高い利便性も備える2人乗り電動モビリティコンセプトです。軽量、コンパクトな設計により、優れた電費を実現します。
ブラックとグリーンのカラーリングが印象的な「Concept 350」は、ゴルフ場などのリゾート向けの1人乗りモビリティ。ゴルフバッグの積載が可能など、高い積載性を備えています。
さらに、積載力を高めた「Concept 310」は、一見するとゴルフカートのような見た目ですが、フィッシングボートを搭載するトレーラーの牽引など、マリンレジャー向けに特化した2人乗り電動モビリティです。
オリジナルエアサスペンションやスポーツシートなどによるアメリカンカスタムに加え、小型軽量な「e-Axle」の採用により高電費を達成しています。
ユニークなフォルムが注目の的だった「Concept 160」は、超コンパクトな1人乗りオフロード電動モビリティで、都会の景色に映える自由な移動も想起させます。
同じく1人乗りの「Concept 451」は、農地や中山間地での簡単な作業を想定。
市販化が実現すれば男性ユーザーから支持を集めそうな「Concept 682」は、自分好みのアレンジやカスタムにも応えるホースライド型の4輪駆動電動モビリティで、東京オートサロンらしい出展といえそう。カスタムを楽しめるモジュラー構造が採用されています。
個性的でありながら、北欧風のデザイン性の高さにより、女性来場者の注目の的になっていた「Concept 294」は、都市型3輪パーソナル電動モビリティ。積載性も高く、実用性も高いコンセプトモデルになっています。
●レトロな雰囲気が漂う「XSR125」も展示
ブース内には、バッテリーパックをシェアリングすることで二輪車の電動化をサポートする「Honda Power Exchanger e:」も展示されていました。
そのほか、ヤマハ発動機が開発に注力している、水素エンジン(水素用直噴インジェクターを採用)搭載のバギー「YXZ 1000R H2」も、「ジャパンモビリティショー2023」に続き出展されていました。
二輪車では、軽量、コンパクトで取り扱いやすい車体サイズが特徴の「XSR125」も展示。維持費や燃費の良さなど経済性に優れたモデルで、レトロなデザインも注目を集めていました。
(文・写真:塚田 勝弘)