■フォーミュラEで開発されたグリップ力のあるソフトコンパウンドタイヤを装着
ステランティスグループのフィアットは現在「アバルト600e」を開発中ですが、その脅威のスペックがわかりました。
同ブランドは2023年7月23日、欧州Bセグメントに属する電動SUV「600e」を発表しました。その中でも最高峰となるのが「アバルト600e」です。
これまでフィアットは「500」のEVバージョン「500e」をベースとする、ブランド初の電動パフォーマンスモデル「アバルト500e」を導入していますが、それに続くアバルトブランド第2弾のEVとなります。
アバルト600eの市販型では、より大きなブレーキと、おそらくフォーミュラEで得た経験から開発された、グリップ力のあるソフトコンパウンドタイヤが採用されていくでしょう。
アバルト部門とステランティスモータースポーツが共同開発した、このスポーティなSUVスタイルのハッチは、通常のフィアット600eが発生する156psを大幅に上回る、最高出力240psを発揮します。
ベースモデルでは、時速62マイル(100km/h)に達するまでに9秒ほどかかりますが、アバルトでは6秒台半ばにまで向上するといいます。
ただし、公式な詳細は少なく、モーターがいくつあるのかはまだ分かりません。ですが、アバルトがこのバージョンの「eCMP」プラットフォームを、「Performo-eCMP」と呼んでいるという事実と、「あらゆる種類の条件下で優れたレーシングダイナミクス」を保証しているというアナウンスから、2番目のモーターを追加した可能性があることは濃厚です。
まだ正式名称も発表されていないこのクロスオーバーですが、FWDシャシーがあり余るパワーを駆動力として活かすのに役立つ専用LSDと、より大きなディスクを備えたアップグレードされたブレーキシステムを装着していることも明らかになりました。
タイヤも優れており、アバルトはフォーミュラEレースで得た経験を活かして開発されたというもの。このタイヤはコーナリンググリップを向上させると言われている、より柔らかいコンパウンドを特徴としていますが、グリップ力が増加するため電気航続距離が犠牲になっているとも考えられます。
600eには54kWhのバッテリーが搭載されており、航続距離可能距離は249マイル(400km)ですが、アバルトが同じパックを積むなら200マイル(320km)程度が予想されます。