■レクサスLMのコンプリートカーや80スープラのレストア車など百花繚乱
カスタムカーの祭典、東京オートサロン2024が千葉県の幕張メッセで1月12日開幕しました。ここでは、東8ホールにある株式会社トムスブースを紹介しましょう。
創業50周年を迎えるトムスは、コンプリートカー3車種、スタイリングパーツを装着した2車種。さらに新規参入するレストア事業のレストモッド車両1台とブースの規模を拡大して出展しています。
トムスの考えるコンプリートカーとは、ノーマル車の良い部分をさらに向上させることをテーマに開発しています。スポーツカーはスポーツカーらしく、ラグジュアリーカーはラグジュアリーらしく。それぞれの車種のキャラクターに合わせてトムスらしさというスパイスを効かせて仕上げているのが特徴です。
今回出展されたコンプリートカーは、レクサスLM(ショーファースタディ)、アルファード、プリウスの3車種です。
レクサスLMは美しさと存在感だけでなく、動いている時だけでなく、静止している状態でも上質で快適な空間を実現するために細部に渡って様々な手法を用いることでラグジュアリーな空間を具現化しています。
住宅における外観にあたるファザードを安易なキャラクターラインで分けるのではなく、ボディの陰影を見極めたトムス独自のバイカラーを施すことで差別化を図っているのが特徴です。
アルファードはサイドガーニッシュを大型化し、ラグジュアリー感を演出するためにメッキ加飾を施しました。さらにグリル下部に厚みを持たせることで、フロントマスク全体の重厚感を高めています。
さらに、スポーティなディフューザー形状のスポイラーを組み合わせることにより、ベース車とは一線を画す個性を引き出しています。またサイドスポイラーとリアアンダースポイラーにはフロントサイドガーニッシュと同じデザインのメッキ加飾を施すことで統一感を演出しています。
そして2023年、日本カー・オブ・ザ・イヤーのイヤーカーに輝いたトヨタプリウスは、行動からサーキットまで幅広く想定したセッティングにより、どんな状況下においても確かな接地感が得られて、思いどおりのライントレースができるスポーツ走行を可能としました。
フロントスポイラーは、大きな開口部によりレーシングカーを彷彿させるデザインを採用。さらに両端に備える開口部が整流効果を生み出し、空気抵抗の低減を実現しています。
サイドステップ&リアアンダースポイラーは、ボディ下面の効果的な空気の排出を狙っての設計。床下の空気の流速を早めることで高い速度域でのダウンフォース効果を高めています。
続いてはスタイリングパーツを装着した2車種、GRカローラ タイプTK。そしてレクサスIS500を紹介しましょう。
GRカローラタイプTKは、WRCドライバーの勝田貴元選手とのコラボレーションモデルの第2弾で、初夏の発売を予定しています。
カナードを追加したフロントスポイラーや大型のリアスポイラーなどにより空力性能を向上。マフラーは左右4本出しの形状を採用し、高いポテンシャルを主張しています。
レクサスIS500は、すでに発売しているエアロパーツを装着。フロント部分はエンジンフードの丸みを帯びた形状に合わせて、先端部をラウンド形状とすることで高いフィット性を実現しています。
またリアバンパーサイドフィンは、ボディ側面の空気の流れを整え、リアのタイヤハウスで発生する乱れを効果的に解消してくれます。
そして、今回の東京オートサロン2024で発表されたのが、旧車のレストア事業への新規参入です。
トムスは数々のレースで培ったものづくりの技術やカスタマイズなどの自動車用品開発、コンプリートカー製作のノウハウを活かして、1970年〜1990年代前半のトヨタ車のレストアを車両の状態に合わせて独自のチェックメニューによりしっかりと修復を行います。
ブースには第1弾としてTRD3000GTを彷彿させる80スープラのレストモッド車両を展示しています。レストモッドとは、レストアとモディファイを組み合わせた造語で、旧車を現代の技術で蘇らせる新しいカスタムの手法です。
今回展示させた80スープラもリフレッシュに加えて、現代の法規対応や技術を用いて安全性の向上と機能パーツのグレードアップとしてコンプリートカー専用パーツでカスタマイズし、パフォーマンスを向上させた特別なコンプリートカーとなっています。
トムスのレストア事業は、レストモッドに加えて、レストアそしてパートレストア&ヘリテージパーツの3パターンが設定されています。
新しいモデルだけでなく、旧車のカスタマイズも手掛けるようになったトムス。準ワークスの高い技術力が多くのトヨタ車ユーザーに還元されるのはウレシイことでしょう。
(文、写真:萩原文博)