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■飲んだら乗るな! 飲むなら乗るな!!
●お酒を1滴も飲めない桂「コボ」伸一さんが飲酒運転を実験してみた
なぜいまだに飲酒運転による事故・違反がニュースを騒がせているのでしょう(怒)。
「飲んだら乗るな! 乗るなら飲むな!!」は、なぜ100%厳守されないのでしょうか…。
昔のオプション(OPTION)誌バックナンバー記事から今回紹介するのは、1984年1月号の、「飲酒したら運転はどう変わるのか?」のテスト模様です。
テスターは当時、OPTバイト隊長で、現在はレーサー→自動車評論家として大活躍のコボちゃんこと桂伸一さん。コボちゃんは昔も今も、1滴の酒も飲めず、飲み屋さんの前を通っただけで顔が赤くなるってくらいのお方。テスターには最適!ですね。
●飲酒運転テスト:短時間なら意外なニトロ効果、だけど持久力が…
お酒を飲むと運転にどんな影響が出るのか? テスターをDaiにすると編集費を全部飲んでもシラッとしているので、1滴も飲めないコボに無理やり飲ませてみた。
テストコースは谷田部の周回路。結論から言えば、短時間であれば酒を飲んでいたほうがキビキビ走るし反射神経もビシッと決まっている。
これは、パイロンスラロームのタイムやブレーキングテストの記録にはっきりと表れる。飲んでいるので思い切りが良くなる点も大きく影響しているのだろうが、飲んでいるという気持ちが、しっかり運転しなくては、という意思を強く働かせるからだろう。
ところが、長時間になると話は変わってくる。何よりまず、集中力が目に見えて低下してくる。緊張が持続しないのだ。また、あきらめも早くなる。パイロンスラロームも最初の2~3本はクリアするが、1本タッチするとその後はすべてのパイロンをブッ倒してしまう。
ブレーキングもラインをオーバーしたり2m前で止まったりで安定しないのだ。この時の酒量はビールをコップ2杯、日本酒を少々といったところだが、飲めないコボにとってはかなりの量になる。
その証拠に、片足ではまるで立っていられないし、真っすぐに歩くこともできない。これでは運転ができなくて当たり前だ。
こんな状態で運転する奴はまずいないだろう。が、ヤバいのはチョイ飲みの状態だ。自分では飲んでいるという気持ちも小さく、運転にもアルコールの影響が出ない。
いや、短時間であればアルコールがプラスされたほうがシビアになることもある。実は、警察の研究でもこれに近い実験結果が出ているのだ。
とにかく「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」が最低条件じゃないかな。
●やってみました飲酒運転トライアル byコボ
当日は、大雨の谷田部高速周回路。こんな雨の中で飲めない酒を飲むオレ…。とにかくヤケで飲む。テスト方法はスラロームからゴール地点でのブレーキテストまでの約200m。ブレーキテストは決められたラインにいかに近く停止させられるか、だ。
飲む前のテストではスラロームが23秒50がベスト。ブレーキングはライン手前50cmがベスト。脈拍74という数値だった。
ところが、飲んだ後のテストではスラロームのベストが22秒21! 平均でも22秒台、脈拍101とグッとタイムアップ。ブレーキングもベスト20cmまでを記録した。ただし、ラインを超えることは多くなった。とにかく、飲んだ後のほうが速いし思い切りがまるでいいのだ。
ところが、4回もトライしてくると調子が狂ってきた。1本ずつのパイロンのことは考えられるのだが、トータルでの流れがめちゃくちゃになってきたのだ。ブレーキングも変に手前で止まったり大幅にオーバーしてしまう。それでも走ることだけに神経を集中させているとムムッ・・・気持ち悪くなってきた! 左右にステアすると胃の中でチャッポンチャッポンと音がする。口をへの字にして頑張ったけどついにお手上げ。雨の中、草むらに走って・・・までは覚えているのだが・・・。
と、飲んだ直後は思いきりが良くなりタイムアップし、ブレーキングも冴えていたけど、時間経過とともにグダグダになっていった…という結果を生んだOPT飲酒運転テスト。
自滅単独ゴマメで済むのなら自己責任。だが、人を巻き込み死亡事故を起こした時には地獄の奥底。飲酒運転を一瞬でもした時には即刻、一生免許取り消し、実刑が相当…と考えるあたし。
罰則が厳しいから飲酒運転はしない、ではなく、人として飲酒運転はしない!という考えが広まることを願って…。[OPTION 1984年1月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)
※2017年6月7日の記事を2023年12月28日に追記・再編集しました。