■V8と直列6気筒エンジンは今後も存続へ
BMWの「M」パフォーマンス部門は、自社モデルにダウンサイジングエンジンを提供するという、メルセデスAMGの戦略には従わないことがわかりました。
代わりにBMW「M」モデルは、最終的に電動パワートレインに移行するまで、現在の直列6気筒およびV8モーターを維持することになります。
BMW「M」の社長フランク・ファン・ミール氏は、最近のインタビューで電気モーターとバッテリーを備えた直列3気筒や直列4気筒エンジンは検討されていないと認めたといいます。
同氏は、カーメディア「CarExpert」に、本格的なMモデルのボンネットの下に小型のエンジンを搭載し、大型バッテリーと組み合わせることは、単に同社にとって「正しい方法ではない」と述べています。
電動化は、フルエレクトリックMモデルへの移行において、たとえば、電動化された4.4リットルV8を搭載した「XM」を例に挙げ、電気モーターはその過程で、あくまで補助的な役割を果たすと説明しました。
そして「私たちは、とにかく強力なベースエンジンを作りたいので、より大きなバッテリーと組み合わせてより小さな内燃エンジンを使用することは正しい方法ではありません」と付け加えました。
では、フルフラットのエレクトリック「M」はどうでしょうか。ミール氏は「EV技術がサーキット専用マシン、つまり『大幅な方法で継続的な出力』を提供できるマシンに向けてまだ準備ができていないため、すぐには市場に投入されません」と締めくくっていいます。
しかし、フルエレクトリック「M」は着々と開発が進められているのも事実です。現在注目は、最高出力1,200psとも噂されるクワッドモーター搭載の「Mカー」です。まだ正式名称も確定していないこの新型EVの登場は、最速でも2025年以降と予想されます。