■「タボリーナ」と呼ばれる円形パッドも確認
ランチアは現在、新型「イプシロン」を開発中ですが、その市販型プロトタイプをカメラが初めて捉えると共に、キャビン内も激写しました。
「Y」と表記された初代イプシロンは1995年に誕生。バリエーション豊かな内外装を提供し、世界で人気を博しました。もともとはアウトビアンキが販売していましたが、同じフィアットグループのランチアに移行されました。
最終モデルとなっていた第3世代は2011年に登場。従来の3ドアハッチバックボディから、5ドアハッチバックに変更され、日本市場にはクライスラーブランドとして販売されていましたが、2014年には販売が終了しています。
それから10年、同ブランドは2024年2月にイタリア・ミラノでワールドプレミアすることを発表しています。復活する新型では、オペル「コルサ エレクトリック」や、プジョー「e-208」と同じ「e-CMPステランティス」プラットフォームをベースとした電動ハッチバックに置き換えられます。
パワートレインは、ランチアが2028年にEV専用メーカーとなるまでは、マイルドハイブリッド燃焼バージョンも用意される予定です。最新のプジョー「e-208」と同じセットアップをした場合、最高出力156psのシングルモーターと51kWhのバッテリーを組み合わせ、約248マイル(400km)の航続距離となるでしょう。
捉えたプロトタイプは、カモフラージュがかなり厳重のためディテールは見えませんが、ボンネットのエッジが際立ったノーズと角張ったボディがわずかに見てとれます。最大の注目は後部で、かなり寝かされたリアウインドウが確認できます。
そして、最も高級感を出しているのがキャビン内です。ヘッドレストをベロアで仕上げ、「LANCIA」のロゴが誇らしげに刺繍されているほか、シートは高級レザーとベロアで包まれています。
またインフォテインメントのタッチスクリーンの下には、ティザーイメージでも公開された「タボリーナ」と呼ばれる円形パッドが装備されています。コーヒーテーブルのように見える構造が革のような素材で覆われ、アルミニウム風のトリムで囲まれており、ワイヤレス携帯電話充電パッドほか、複数の機能が隠されている可能性もあります。
新型には、イタリアの高級家具ブランド「カッシーナ」とコラボした「エディツィオーネ・リミタータ・カッシーナ」と呼ばれる限定版も導入される予定です。カッシーナスペシャルは、ランチアの創立117周年に敬意を表し、ランチア創立年にちなんで1,906台の限定販売となっています。
車内のどのトリムにカッシーナ製が使用されているのかは不明ですが、プロトタイプのアームレストを初め、ドア内張、ステアリングホイールなどは高級感を感じられるため、カッシーナ製の可能性がありそうです。