スズキの電動モビリティユニットに興味津々【バイクのコラム】

■電動車いすの駆動ユニット+自律走行機能

スズキ電動モビリティベースユニットの使用例(移動用)
スズキ電動モビリティベースユニットの使用例(移動用)

スズキが、2023年11月29日~12月2日に東京ビッグサイトで開催される「2023国際ロボット展」において、ロボットの足として活用できる電動モビリティベースユニットの使用事例を出展することを発表しました。

ここでいう「電動モビリティベースユニット」というのは、スズキの電動車いすに由来するもので、足回りを含めた電動ユニットに自律走行システムをプラスしたもの。国際ロボット展では、様々な小型ロボットの”足”として活用される可能性をリサーチするということです。

というわけで、基本的には無人走行する移動体が想定される電動モビリティベースユニットですが、スズキが出展する使用事例の中で気になるのは、四輪バイク的なルックスの小型モビリティです。

残念ながら実機を確認していないのでサイズ感は不明ですが、公開されている画像からは「特定小型原動機付自転車」のレギュレーションに収まるようにも見えます。

2023年に新設されたばかりで、16歳以上であれば、免許不要で公道走行のできる特定小型原付は、キックボードのようなスタイルをイメージされることが多いのですが、二輪限定というわけではありません。

●配送用など5つの使用事例を展示

四輪で安定感があって、簡易的でもシートがある特定小型原付であれば、高齢者にも乗りやすそうです。ライダーとしてキャリアを積みながら、年齢を理由に免許を返納したような方が”最後に操るモビリティ”としてはアリなのでは?と、妄想がふくらみます。

自律走行システムが簡易的なADASとして機能すれば尚更でしょう。

そのほか、国際ロボット展では配送用、運搬用、除雪用、農業用などの無人モビリティの使用事例を展示することを発表しています。タイヤで動く小型ロボットというのは、今後の発展が期待されるジャンルです。

自分で操ってこその乗りものと思う方にとっても、そうしたモビリティに使われる電動ユニットが、自分で操作する乗りものにも応用・流用できる可能性があると思えば、小型ロボットの進化は注目すべきかもしれません。

●EICMA2023では注目のスポーツモデルも発表した

ミラノショーで発表された新型バイク「GSX-8R」。エンジンは776ccの2気筒。
ミラノショーで発表された新型バイク「GSX-8R」。エンジンは776ccの2気筒。

とはいえ、バイクファンにとっては、EICMA2023(ミラノショー)にて、スズキが発表したクロスオーバーの新型モデル「GSX-S1000GX」や、スポーツモデルの新しい提案である「GSX-8R」のほうが注目度が高いかもしれません。

しかも、新型「GSX-S1000GX」は2023年12月より、新型「GSX-8R」は2024年1月より欧州・北米を中心に全世界で順次販売を開始するということで、食指が動いている方も多いのでは?

かくいう筆者も、GSX-8Sをベースにスズキのスポーツバイクのヘリテージをデザインした「GSX-8R」には興味津々。写真を見る限り、セパレートハンドルはツーリング向きのポジションにセットされているように見えますし、あえてシートレールを見せるデザインとしているあたりも新鮮に感じるからです。

正直な気持ちでいえば、まだまだ大型バイクに乗れるくらいの体力はあると自負しているのですが、将来のことを考えると、免許返納後にも「操っている」気分が味わえる小型モビリティについても情報収集していかねばと思う、今日この頃なのでした。

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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