BMWモトラッドの「F900R」「S1000R」「R1250R」に2024年モデル登場。電子制御システムなどを強化

■装備や価格を一新して魅力をアップ

BMWのバイクブランド「BMWモトラッド」は、ロードスターモデルの「F900R」「S1000R」「R1250R」に2024年モデルを設定し、2024年11月15日より順次デリバリーを開始することを発表しました。

F900Rの2024年モデル
F900Rの2024年モデル

BMWのロードスターとは、アグレッシブなスタイルを持ち、スポーティな走りが楽しめるネイキッドバイクのこと。

フルカウルのスーパースポーツモデルとは一線を画す扱いやすい特性なども備えることで、街乗りから高速道路、ワインディングなど、ストリートを俊敏で快適に走れることが魅力のモデル群です。

今回発表された新型3機種は、いずれも電子制御システムなどを強化することで、より装備をアップデート。価格も一新し、大型自動二輪免許の取得者が初めて乗るバイクとしてや、国産バイクのオーナーが買い替えモデルとして選択する際の魅力を高めたことがポイントだといいます。


●F900Rの2024年モデル

排気量894ccの並列2気筒エンジンを搭載する、ミディアムサイズのロードスター・モデルがF900Rです。エッジの効いたフロントフェイスは、特に、格闘家のコブシのように力強い形状のヘッドライトが印象的。

F900R(ライト・ホワイト)
F900R(ライト・ホワイト)

高強度の鍛造ピストンを採用するエンジンは、最高出力77kW(105PS)/8750rpm、最大トルク92Nm(9.38kgf-m)/6500rpmを発揮し、ミドルクラスながら余裕ある走りが楽しめます。

また、13Lの燃料タンクは軽量なプラスチック溶接式を採用することで、215kgという軽量な車体に貢献し、軽快でスポーティな走りを実現します。

そんなF900Rの2024年モデルでは、電子制御システムを刷新。「Rain」「Road」「Dynamic」「Dynamic Pro」といった4つのモードから選べる「ライディングモードPro」や、コーナリング中の急制動も安全にアシストする「ABS Pro」を新装備しています。

F900R(レーシング・レッド)
F900R(レーシング・レッド)

また、クラッチレバーやアクセルの操作をしなくてもシフトアップとシフトダウンが可能な「ギアシフトアシストPro」も追加。さらに、「ダイナミック・トラクション・コントロール(DTC)」も搭載することで、加速時の最適なトラクションを様々な路面状況でサポートしてくれます。

カラーバリエーションは、「レーシング・レッド」「ブラック・ストーム・メタリック2」「ライト・ホワイト」の3色。価格(税込)は119万円〜122万6000円です。

●S1000Rの2024年モデル

BMWが誇る1000ccスーパースポーツ「S1000RR」のエンジンやシャーシを受け継ぎ、高い運動性能と刺激的なロードスターのスタイリングを融合させたモデルがS1000Rです。

S1000R(ブラック・ストーム・メタリック)
S1000R(ブラック・ストーム・メタリック)

搭載する999cc・油冷/水冷の並列4気筒エンジンは、最高出力121kW(165ps)/1万1000rpm、最大トルク114Nm(11.62kgf-m)/9250rpmを発揮。トルクを最適化することで、幅広い回転域でより快適な乗り心地を実現しています。

また、4、5、6速のギアを最適化(ロングレシオ化)することで、郊外での走行でも騒音を抑え、環境にも配慮。エンジン回転数を制限することで、WMTCモード値で16.12km/Lという高い燃費性能も備えます。

さらに、車両重量204kgという軽量な車体などにより、S1000RR譲りのダイナミックで俊敏な走りを堪能できます。

その2024年モデルでは、F900Rと同様に、快適なシフトチェンジをサポートする「ギアアシスタントプロ」や、「Rain」「Road」「Dynamic」「Dynamic Pro」の4モードから選べる「ライディングモードPro」を装備。

S1000R(ブルーストーン・メタリック)
S1000R(ブルーストーン・メタリック)

また、「ダイナミック・エンジンブレーキコントロール」も新採用し、スロットル急閉時に発生する可能性のあるリヤタイヤの急制動を抑制。減速時などでの安定性もアップさせています。

さらに、高速道路などで、アクセル操作なしで設定速度を維持する「ダイナミック・クルーズ・コントロール(DCC)」も搭載。ロングツーリング時などでの快適性も向上させています。

カラーバリエーションは、「ブラック・ストーム・メタリック」「ブルーストーン・メタリック」の2色で展開。価格(税込)は198万7000円〜202万8000円です。

●R1250Rの2024年モデル

BMW伝統のボクサー・エンジン(水平対向2気筒)を搭載する大型ネイキッドモデルがR1250Rです。

R1250Rの2024年モデル
R1250Rの2024年モデル

搭載する排気量1254ccの2気筒ボクサー・エンジンは、最高出力100kW(136PS)を発揮し、ダイナミックなパフォーマンスを実現。

インテーク側のバルブ・タイミングとバルブ・リフトを変化させる「BMW ShiftCamテクノロジー」の採用により、全回転域で力強いパワーと滑らかな走りを味わえるほか、高い静粛性も両立。また、WMTCモード値21.05km/Lという優れた燃費性能も備えます。

その2024年モデルでは、クラッチレバーやアクセルの操作をしなくてもシフトアップとシフトダウンが可能な「ギアシフトアシストPro」を追加。長距離走行などでの疲労軽減や快適性に貢献します。

R1250R(レーシング・ブルー・メタリック)
R1250R(レーシング・ブルー・メタリック)

ほかにも、クロームのデザインオプションサイレンサーと、ヘッダーエキゾーストパイプも装備し、質感などを向上させています。

カラーバリエーションは、「アイス・グレー」「レーシング・ブルー・メタリック」「ブラック・ストーム・メタリック」の3色を用意。価格(税込)は177万5000円〜185万7000円です。

(文:平塚直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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