意外にもドアロック/アンロックの設定が外されていたステップワゴンの全9項目33点ものカスタマイズ機能をご紹介【新車リアル試乗 9-14 ホンダステップワゴン カスタマイズ・前編】

■ステップワゴンのカスタマイズ機能

項目はかなりの数にのぼります
項目はかなりの数にのぼります

今回のステップワゴンのリアル試乗は、カスタマイズ機能について眺めていきます。

●カスタム操作はメーターとHonda CONNECTのふたとおり

クルマの車両設定を自分の好みにセッティングできる本格派カスタマイズ機能搭載は、筆者の理解では老舗は三菱自動車で、トヨタが後に続きました。ホンダも割と積極的なほうだと思います。

たいていの場合はメーター内のマルチディスプレイかナビ画面のどちらかで行う場合が多く、特にナビが販社用品ないし市販汎用ナビ装着前提のクルマの場合は車両とナビの連携が取れないため、メーター操作完結のクルマが多数派です。

ステップワゴンの場合はふたとおりで、メーター操作、ナビ画面の両車それぞれで行うようになっています。

もっともナビ画面でできるといっても、お仲間会社のホンダアクセスがステップワゴン装着前提の販社ナビ・Gathersインターナビが車種別設計しているから対応できるのであり、おそらくカー用品店で汎用品を選ぼうものならカスタム操作はできない相談でしょう。

それはともかく、ふたとおりあるステップワゴンのカスタム機能のうち、今回はメーター操作によるカスタム機能を見ていきます。

メーターで行うことのできるカスタム項目は次のとおりです。

1.時計設定
2.運転支援システム設定
3.メーター設定
4.Hondaスマートキーシステム設定
5.ライティング設定
6.ドア設定
7.パワーテールゲート設定
8.メンテンナンスリセット
9.初期化設定

その数は9項目ですが、ひとつひとつを数えると全部で33点ありました(除くメンテナンスリセット、初期化操作)。

その中身ひとつひとつを次項で詳細に見ていきます。

●カスタマイズ全9項目・33点の詳細内容

太い青字は工場出荷時のセッティング。各メニューの選択項目は画像ギャラリーに漏れなく載せてありますのでごらんください。

1.時計設定

メーター内に表示される時刻の設定を行います。ただしHonda CONNECT付き車には表示されません。

1.時刻調整:時(1~12/0~23)、分(00~59)
2.時計表示:24h、12h非表示

2.運転支援システム設定

2.運転支援システム設定
2.運転支援システム設定

運転支援システム各機能のON/OFF、作動や報知のタイミングなどのセッティングを行います。

1.衝突軽減ブレーキ(CMBS)警報距離:遠め、標準、近め
2.ACC先行車検知音:あり、なし
3.先行車発進お知らせ設定:標準、早め、OFF
4.路外逸脱抑制機能設定:アシストタイミング早め、アシストタイミング標準、アシストタイミング遅め、操舵アシストなし警報のみ
5.LKAS(車線維持支援システム)制御解除警報音:ON、OFF
6.ブラインドスポットインフォメーション設定:警報音/警報表示、警報表示
7.標識認識機能表示:ON、OFF
8.標識認識機能速度超過お知らせ:ON、OFF
9.標識認識機能速度超過量:+0km/h、+5km/h、+10km/h、+15km/h
10.リヤパーキングセンサー警報設定:ON、OFF.

3.メーター設定

3.メーター設定
3.メーター設定

メーターデザインとは別に、メーターに表示される項目や運転アシスト機能の表示・非表示などの設定を行います。

1.外気温表示補正:-3℃、-2℃、-1℃、~±0℃~、+1℃、+2℃、+3℃
2.TRIP A 自動リセットタイミング:満タン給油時、IGN OFF時、手動のみ
3.TRIP B 自動リセットタイミング:満タン給油時、IGN OFF時、手動のみ
4.アラーム音量:大、、小
5.アンビエントメーター照明色変化設定:ON、OFF
6.交差点案内表示:ON、OFF
7.リヤシートリマインダー:ON、OFF
8.タイヤ角度モニター:ON、OFF

4.Hondaスマートキーシステム設定

4.Hondaスマートキーシステム設定
4.Hondaスマートキーシステム設定

Hondaスマートキーシステムを操作したときに鳴るブザー類の音量、作動非作動のセッティングを行います。

1.アンサーバックブザー音量:、小
2.ドアハンドル操作アンサーバックブザー:作動、非作動

5.ライティング設定

5.ライティング設定
5.ライティング設定

車両内外の照明の機能ON/OFF、タイマー設定を行います。

1.オートハイビーム:ON、OFF
2.アダプティブドライビングビーム:ON、OFF
3.インテリアライト点灯時間:60秒、30秒、15秒
4.デイタイムランニングライト:ON、OFF
5.ワンタッチターンシグナル:ON、OFF

6.ドア設定

6.ドア設定
6.ドア設定

ドア開閉時のロック関連の挙動を設定します。

1.降車時オートドアロック:作動、非作動
2.キーレスアンサーバック:作動、非作動
3.オートリトラミラー格納:キーレス連動、手動のみ
4.予約ロック:ON、OFF

7.パワーテールゲート設定

7.パワーテールゲート設定
7.パワーテールゲート設定

パワーテールゲートの設定をします。

1.キーレス自動オープンモード:ロック時とアンロック時に作動、アンロック時のみ作動
2.テールゲートハンドル自動オープン:OFF(手動のみ)、ON(自動/手動)

8.メンテナンスリセット:キャンセル、リセット

8.メンテナンスリセット
8.メンテナンスリセット

マルチインフォメーションディスプレイのメンテナンス画面で表示されるオイル交換までの残距離のリセット操作を行います。オイル交換後に行うものです。

9.初期化設定:中止、実行

9.初期化設定
9.初期化設定

ユーザーが設定した項目を一挙リセットし、工場出荷状態に戻します。

 

操作はここまで何度か出してきた、ハンドルスポーク右スイッチ群の中のライトセレクターホイールひとつで行います。

カスタム操作に必要なスイッチは、ハンドル右スポークのライトセレクターホイールだけでいい。上下まわしで「選択」、押して「決定」
カスタム操作に必要なスイッチは、ハンドル右スポークのライトセレクターホイールだけでいい。上下まわしで「選択」、押して「決定」

すなわち上下まわしで「選択」、押して「決定」・・・「戻る」も選択肢の中にあるのが少々使いづらく、ホイール左にはACC使用時の車間距離設定スイッチが占めているので、ホイールに工夫を与えて左右スライドできるようにし、左移動で「戻る」ができるようにすれば使いやすいと思いましたが、そうするほどのものでもないか。

●廃止されていた自動ドアロック/アンロック設定

筆者は車速連動の自動ドアロックの賛成派ですが、反対派もいるので、ひとによって選べるよう、自動ロックの機能ON/OFFがあるといいと書いてきました。

このステップワゴンには衝撃を感知すると自動でアンロックされる車速連動オートドアロックがついているので、てっきりこのロック機能のカスタム機能があると思っていたのですが、残念ながらありませんでした。

実はこのクルマにはブレーキペダル踏みでシフトをPに入れると全ドアが自動解除されるオートドアアンロックがついていましたが、路肩でシフトPに入れてひと待ちをするときは大きなお世話で、いきなり暴漢がドアを開けて車内のひとを襲うということがないとはいい切れません。何だか車速連動ロックとの矛盾さえ感じられるのですが、とにかく自動ロック/アンロックのタイミングを選ぶことができないのは意外でした。

できたてホヤホヤの新型N-BOX。自動ドアロックが廃止されていた・・・
できたてホヤホヤの新型N-BOX。自動ドアロックが廃止されていた・・・
自動ドアロックの機能は旧2代めN-BOXにはあったのに・・・
自動ドアロックの機能は旧2代めN-BOXにはあったのに・・・

以前採り上げた軽自動車の旧N-BOXにすらあったのに、新型ステップワゴンにないとは・・・旧型5代めステップワゴンを調べてみたら旧N-BOXと同じメニューがあり、新型N-BOXはどうなのかと思って調べてみたら、衝撃感知ドアロック解除システムは備えるものの、そもそも車速連動ロックが廃止されていました。

こら、ホンダ! めっ!

(参考)旧2代めN-BOX・愛しのカスタマイズ・ドア設定

旧N-BOXのカスタマイズ・ドア設定
旧N-BOXのカスタマイズ・ドア設定

参考までに、現時点で旧型になったN-BOXの自動ロックのカスタマイズ項目を載せておきます(青太字が工場出荷状態。)。この内容は旧ステップワゴンもまったく同じです。

ホンダにはもういちど見直してほしいと思います。

・自動ドアロック連動機能:車速連動、シフト連動、非連動

・自動ドアアンロック連動機能:シフト連動、IGN OFF連動、非連動

どこかのサイトが「自動ドアロックの是非は結論が出ないテーマ」と書いていましたが、まさにそのとおりで、自動ロック賛成派の筆者さえ、反対派に自動ロックを押しつけるのはよくないと思っています。

だからこそユーザー個々の考え方に応じて自動ロック/自動アンロックのON・OFFを選べるようにすると喜ぶユーザーは多かろうと思います。そのための「カスタマイズ機能」なのに・・・

 

というわけで今回はここまで。

「カスタマイズ編」は次回も続けます。

(文:山口尚志(身長176cm) 写真:山口尚志/本田技研工業)

【試乗車主要諸元】

■ホンダステップワゴン スパーダ〔5BA-RP6型・2022(令和4)年5月型・FF・CVT(自動無段変速機)・ミッドナイトブルービーム・メタリック〕

●全長×全幅×全高:4830×1750×1840mm ●ホイールベース:2890mm ●トレッド 前/後:1485/1500mm ●最低地上高:145mm ●車両重量:1740kg ●乗車定員:7名 ●最小回転半径:5.4m ●タイヤサイズ:205/60R16 ●エンジン:L15C型(水冷直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ) ●総排気量:1496cc ●圧縮比:10.3 ●最高出力:150ps/5500rpm ●最大トルク:20.7kgm/1600~5000rpm ●燃料供給装置:電子制御燃料噴射(PGM-FI) ●燃料タンク容量:52L(無鉛レギュラー) ●モーター:- ●最高出力:- ●最大トルク:- ●動力用電池(個数/容量):- ●WLTC燃料消費率(総合/市街地モード/郊外モード/高速道路モード):13.7/10.4/14.3/15.3km/L ●JC08燃料消費率:15.4km/L ●サスペンション 前/後:マクファーソン式/車軸式 ●ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク ●車両本体価格325万7100円(消費税込み・除くメーカーオプション)