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■観光客や地域住民の移動手段としての有用性を実証
2012(平成24)年11月19日、日産自動車と横浜市が超小型EV「日産ニューモビリティコンセプト」を使ったモビリティの実証試験を開始しました。
横浜市内3ヶ所で8台の日産ニューモビリティコンセプトが用意され、観光客や地域住民の移動手段としての超小型EVの有用性を評価することが目的でした。
●原付スクーター以上で軽自動車よりも小さい超小型モビリティ
超小型モビリティとは、簡単に言えば、原付スクーター以上、軽自動以下の近距離移動のための1~2人乗りの乗り物です。
正確に言えば、国交省が認定する超小型モビリティは、第一種原動機付自転車「ミニカー」と「超小型モビリティ(型式指定車・認定車)」の3種に分類され、3輪または4輪の1人~2人乗りで、いずれも普通免許が必要で高速道路は走行できません。
・ミニカー:定格出力0.6kW以下、2.5m以下/1.3m以下/2.0m以下(長さ/幅/高さ)で最高速度60km/h
・超小型モビリティ(型式指定車):0.6kW超、2.5m以下/1.3m以下/2.0m以下、構造上の最高速度60km/h
・超小型モビリティ(認定車):0.6kW~8.0kW、3.4m以下/1.48m以下/2.0m以下、最高速度60km/h
ちなみに軽自動車は、0.6kW以上、3.4m以下/1.48m以下/2.0m以下で、最高速度は構造上の制限はありません。
高齢化が進む日本社会への対応、CO2排出量の削減、さらに新規市場や雇用創出などを狙って、現在進められているのが、EVの超小型モビリティなのです。
●横浜市内限定で様々な形で運用された日産ニューモビリティコンセプト
日産ニューモビリティコンセプトは、ガルウイングを装備した近未来的なスタイリングの4輪車。前後2人乗りで、密閉できる窓はないので、雰囲気的には屋根のある高級なバイクという印象です。
ボディのサイズは、長さ2.34m/幅1.23m/高さ1.45mで、定格出力8kw/最高出力15 kW、最高速度約80km/h、リチウムイオン電池で満充電時の航続距離約100km、車両重量は500kgです。
2013年10月からは、日産ニューモビリティコンセプトを使ったワンウェイ型のカーシェアリング「チョイモビ ヨコハマ」を始めました。横浜市内限定で市内約60ヵ所のステーションに70台以上を配備して、利用申し込みはスマホ/PCで行い、乗り捨て自由で使用料は30円/分、もしくは50分1000円でした。
2015年10月からは、第2弾「レンタカー型」、2017年3月には第3弾として出発したステーションへクルマを返却する「ラウンドトリップ型」へと変わりましたが、2021年3月に運用は終了しました。
●他にもいろいろある超小型EV
2010年以降、自動車メーカーは積極的に超小型EVを開発し、全国の限定された用途の公道走行や実証試験で5000台以上が利用されています。たとえば、配送・訪問業務、観光地の周遊利用、都市部でのシェアリング利用などです。
日産以外にも、以下のような超小型EVを開発しています。
・トヨタ「i-ROAD」
前2輪/後1輪の3輪車で1~2人乗り、サイズは2.35m/0.85m/1.505m(長さ/幅/高さ)、定格出力2kW×2、最高速度約45km/h、満充電時の航続距離約50kmでオートバイを大きくしたような超小型EV。
・トヨタ車体「コムス」
4輪の1人乗りで、2.395m/0.85m/1.095m(長さ/幅/高さ)、定格出力5kW、最高速度約60km/hで、電池は密閉型の鉛電池を使用して市販化済み。
・ホンダ「MC-β」
4輪の前後2人乗りで、2.495m/1.28m/1.545m(長さ/幅/高さ)、定格出力6kW/最高出力11kW、最高速度約70km/h、満充電時の航続距離約80km。
超小型EVは、一般の市販車とは異なり使用条件が限定されるため、量的にはまだ普及しているとは言えません。最大の課題は、超小型EVが安心して走れる、他のクルマに迷惑を掛けない道路環境が整ってないことではないでしょうか。普及のためには、超小型EVのためのインフラ整備が急務だと思います。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)