■システム最高出力は590kW (802PS)、最大システムトルクは1,430Nmに達する
2023年11月15日、メルセデス・ベンツSクラスにトップパフォーマンスモデルの「メルセデス AMG S 63 E PERFORMANCE」が設定され、同日から発売されました。
メルセデスの最上級セダンであるSクラス。メルセデスAMG社がパフォーマンスラグジュアリーモデルに仕上げた「メルセデスAMG S 63 E PERFORMANCE」は、「メルセデスAMG S 63」史上最もパワフルでダイナミックな仕様になっています。
搭載されるパワートレーンは、4.0L V8ツインターボエンジンに交流同期モーターとAMG自社開発のバッテリー(13.1kWh)、AMGのパフォーマンス志向連続トルク可変配分四輪駆動システムの「4MATIC+」の組み合わせ。
組み合わされるトランスミッションは、「AMG スピードシフト MCT9 トランスミッション」で、トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載。ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現し、トルクコンバーターの損失を低減し、軽量化も相まってレスポンス向上に貢献するそうです。
システム最高出力590kW(802PS)・最大システムトルク1,430Nm以上という驚異的なアウトプットを実現。0-100km/h加速は、スーパースポーツカー顔負けの3.3秒で到達します。
出力140kW(190PS)の交流同期モーターはリヤアクスルに搭載されていて、電動シフト式2速トランスミッション、電子制御式リミテッドスリップデフとともに、コンパクトなエレクトリックドライブユニット(EDU)に配置。
変速機内、あるいは変速機よりも下流にモーターが配置される「P3 ハイブリッド」と呼ばれるレイアウトが採用されています。
バッテリーはリヤアクスルの上方に搭載され、ハイレスポンスな加速や前後重量配分の向上、ハンドリング性能の引き上げなどに寄与しているそう。なお、EV走行可能距離は37kmで、日常の買い物程度であれば充電した電気のみで走行できます。
7つのモードを備える「AMGダイナミックセレクト」により、好みやシーンに応じて、「Electric(電動)」、「Comfort」、「Battery Hold(バッテリー ホールド)」、「Sport」、「Sport+」、「Slippery(滑りやすい)」、「Individual」から選択できます。
走りや乗り心地を向上させる装備、機能として「AMG ACTIVE RIDE CONTROL」、高い小回り性能と高速域の走行安定性に寄与する「リヤアクスルステアリング」、AMG 高性能コンパウンドブレーキシステムなどが用意されています。
●垂直グリルとセントラルスターグリルが目を惹くAMG専用フロントグリル
「メルセデスAMG S 63 E PERFORMANCE」のエクステリアもただ者ではない気配を漂わせています。Sクラスで初めて垂直ルーバーとセントラルスターグリルからなるAMG専用フロントグリルを用意。
ボンネット先端のマスコットがシルバークローム/ブラックのAMGエンブレムに置き換えられ、スポーティかつ上質な雰囲気を漂わせています。さらに、大きなサイドエアインレットを備えたジェットウイングデザインのフロントエプロンが迫力ある顔つきを印象づけています。
21インチのAMGホイール、AMGのサイドシルパネルがサイドビューを引き立てていて、スクエアタイプの4本出しエグゾーストエンド、縦フィンとディフューザーボードを備えたワイドディフューザーなどがリヤビューに迫力をもたらしています。
Sクラスならではの高い質感を誇るインテリアには、AMGならではの機能や装備を用意。「AMGパフォーマンスステアリング(ナッパレザー)」をはじめ、「AMGドライブコントロールスイッチ」、「AMGスポーツペダル」、「AMGロゴ入りイルミネーテッドステップカバー」を採用。さらに、「AMG専用ダイヤモンドステッチシート」に加え、AMGバッジ付き前席バックレスト、ヘッドレストにはエンボス加工されたAMGロゴが配置されています。
「MBUX」には、ハイブリッドモデル専用ディスプレイが含まれています。「MBUXインフォテインメントシステム」に、AMGとプラグインハイブリッドモデルならではのディスプレイ表示と機能を用意。インパネのコクピットディスプレイ、センターコンソールのメディアディスプレイ、ヘッドアップディスプレイに表示できます。
ヘッドアップディスプレイは、レースやスーパースポーツなどのAMG独自のディスプレイスタイルも表示可能。メディアディスプレイは、駆動システム全体の電力の流れ、出力、モーターのトルクと温度、バッテリーの温度の表示にも対応しています。
そのほか、従来のサラウンドサウンドにレイヤーが追加された、新しい技術の 「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」が搭載され、立体的な音響空間を享受できます。
●価格:3,576万円
(塚田 勝弘)