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■旅先でお手軽にレンタル可能なヤマハのバイクレンタル
●所有する喜びより乗る喜びで!
思えばレンタカーを借りるとか、スキーをレンタルで済ませるというのは、バブル期を経験したり見てきた我々世代にとって「買えないからやむを得ず借りる」という多少の屈辱を感じながらやる意識がどこかしらにあった時代もありました。
そんなのは遠い昔の話で、いまやカーシェアを始め、必要ないものは買わない、使わないのに置いておくのがカッコ悪い時代になってきたようにも思えます。まあ、物欲が経済を支えて育ってきた世代にはまだまだ心からそうは思えないのですが…。
とはいえ、バイクに関しては、レンタルがめっちゃいいことに気付きました。
なんたってバイクは(移動の手段で乗らなければならないのでなければ)、乗りたいときに乗りたいところで乗りたいのです。
バイクを所有しちゃうと、一年中税金を払わなくてはならないし、置き場所を借りてる人は走ってるときも駐輪費用を払わざるを得ないのです。もちろん、カスタマイズを始め、愛車に愛情を注ぎ込む楽しさはプライスレスなのはわかります。けれど、所有していても違うタイプのバイクに、もしくは、遠く離れた旅先でバイクに乗るのって、また違った楽しさがあるのも言わずもがなでしょう。
●憧れの北海道ツーリングをお手軽に
さて、当たり前のウンチクが少し長くなってしまいましたが、先日、北海道を旅行した際、レンタルバイクを初体験してきましたので、そのときの様子をお知らせします。
北海道ツーリングといえば、ニッポンのバイクの楽しみ方の中でも、鈴鹿8耐観戦と並ぶくらいメジャーな楽しみ方ではないでしょうか。
まあ長年、いつかは北海道をバイクで走ってみたいと思っていましたが、夏場かその前後に長期の休みが取れて他にやることが無い夏休みなど、大学の頃から通じて訪れることはありませんでした。通常、本州から行くとなると、前後の1泊ずつは余裕を見るとなると、天気の様子も考えて最低でも中2日くらいは走りたいとなると、最低でも4泊程度は必要だろうと思います。
それが、先日用事で北海道へ行った際、ぽっかり丸一日フリーの日があったので、レンタルバイクを申し込んでみました。丸一日と言っても朝から夕方までの半日、午前中に借りて、明るい時間だけ走って、夕方返却という流れです。
●申込みは事前にネットから
申込みはヤマハ発動機のヤマハバイクレンタルのホームページから行います。
まずはレンタルする店舗を選択。そのお店にある車種を選んで、空き状況を確認して、日時を入力して完了です。
まあ、通常は行く場所が決まってて、乗りたいバイクを見つけて、空き状況がわかる、という流れでも不自然ではないのですが、今回、北海道のどの店舗も必ずしも近くなかったので、最初にどこから借りるかを決めるのではなく、車種を決めてから空きのある店舗を探せるようなシステムになっててもありがたいと思いました。ボクは大型免許を持っていないため、まずは排気量を絞ってから検索したいとも感じましたね。それに、乗りたいいくつかの車種があれば、まずは全国の空き状況から確認できるのもアリなのではないでしょうか。
それはともかく、今回は北海道のとある店舗から借りるのが時間的に便利だったのでお店を決め、車種を決めました。先程述べた通り、普通二輪免許しか無いので、400cc以下から探します。普段はSR400に乗ってますので、今回は真逆なYZF-R3を選んでみました。
レンタルするのはバイクそのものの他にも、ヘルメット、グローブ、ライディングジャケットなども借りることが可能です。持っていない人はもちろんですが、たとえば出張だけど一日時間が空いた、なんてときにも荷物を減らせて便利ですよね。もちろん、有料ですがヘルメット1000円、グローブ300円、ライディングジャケット2000円と、それほど高価ではありません。
次に、保証のオプションを選びます。これはレンタル費用に含まれた保険・補償にプラスして追加するもので、「免責オプション」が転倒等での損傷が発生した際、標準の保険での免責負担額の9万円が免除されるオプションで、3300円、さらに、「安心補償プラス」は、お店のレンタル車両が修理などのため利用できなくなった場合に発生する”営業補償”が免除されるオプションで、1500円となっています。これらの金額は今回の1日借りた例での料金です。それ以上のレンタルの場合は保険料も含め値段が上がりますのでご注意ください。
保険や補償って、なにも無ければ掛け捨てになってもったいない気もしますが、今どきのバイク、ヒトコケ数万円はすぐに行っちゃいそうなので、慣れないバイクに乗るのであれば掛けておけば、走っているときの安心感がきっと違いますよ。
さて、ネットで予約が済んだら、あとはお天気をお祈りしつつ当日を待つのみです。
レンタル当日は、免許証の確認やレンタル品、保険内容の確認などを行ったあと、実際のバイクの装備、操作系を教えてもらいます。もちろん、乗り慣れたものであればそこはある程度省略可能です。
事前に精算が済めば、いよいよ走り出します。お店に到着してから、走り出すまでの時間は、事前登録情報の変更をしたり、ヘルメットのサイズを合わせたり、ウェアを着たり、初めてのバイクや装備品の説明を聞くなどしたのに時間を要したこともあり、一時間弱くらいかかったようです。
今回の目的地はノープランだったのですが、とりあえずオホーツク海を目指すことにしました。できるだけ走っている時間を長くしたかったので、途中での休憩は少なめにし、ランチも食べれたら食べる、という気持ちでスタートです。
北海道の街中は、他の都市と比べ、やはり真っすぐの道が多いですね。街を作ったときに川などが影響しない限り、四角く整備されています。気を付けたいのは、右折レーンが無しに右折できる交差点が多いこと。左車線を走っていても、右折車両を避けるために右車線から左に移る車両がありますので、注意してください。同様に、右車線を走っていると、前走車が交差点で右ウインカーを出して右折待ちに変わることがあります。車間距離にも気持ちにも余裕をもったほうがいいですよ。
郊外に出ると、北海道らしい直線と緩いカーブの道が多くなります。信号が急に少なくなって、街を出たのを実感します。でも、速度取り締まりも少なくないと聞きますので気を付けてくださいね。
高速に入ると、まあ、それは一般的な高速と大差ないです。ただ、一般道の流れが速めなので、高速のありがたみは薄れますね。実際、ナビアプリで所要時間を見ていても、下道と高速で大きな差が出ないのがわかります。
そんなこんなで、オホーツク海が見えてきました。なんとなく、太平洋とも日本海とも東シナ海とも違う、静けさのような冷ややかさのような雰囲気を感じます。もちろん、天候によるとは思いますが。オホーツクの海風にさらされた植物は地面低くに生えて、その日は穏やかでしたが、気候の過酷さも予想させます。
とりあえず、なるべく海に近い道まで行ってみます。車だと行けるとこまで行っても戻ってくるのが困難になるかも、という躊躇がありますが、バイクならそれをもう少し攻めて行けます。もちろん、無理は禁物ですが、その機動力はバイクならではですね。
やや、土と砂が混じったような路面になってきたので、ちょっとビビって一旦引き返します。
●巨大なカニの爪を見に行こう
そして、見た目にオホーツク海まで来たのがわかるものが無いかを探したらありました。巨大なカニの爪です。
以前からその存在は知っていたのですが、近くで見たことはなかったので行ってみました。
想像以上にデカい。身が詰まってたらカニ缶が何個できるのでしょうか。けど、大きい生物は大味になりがちだからあまり美味しくないかも、とお昼を食べてなかったので食べることばかり考えてましたが、そろそろ引き返さないと返却時間に余裕がなくなりそうです。
帰りは、なるべく違うルートで帰ります。下道でも信号もほとんどなく、スムーズに走れました。スマホのナビアプリの所要時間を時々確認しながら行ける限り気持ちよさそうな道を選んで走ります。
走行しているうちに返却時間までちょうどくらいになってきましたので、そこからまっすぐ帰ります。
店舗近くのガソリンスタンドで満タンにし、無事お店に到着。車両の無事を確認していただき、返却完了です。
今回の相棒になってくれたYZF-R3ですが、さすがヤマハのスポーツバイク直系であり、ハンドリングのヤマハと言われるだけあって、身軽さと曲がるときのスムーズさに楽しさを盛り込んで走れることが良くわかりました。正直言って、スポーツバイクに乗るのは40年ぶりくらいだったんですが、昔のハードモデルと違って、誰が乗ってもすぐに乗れて、楽しむことができます。もちろん、その高い限界性能を引き出そうとすれば、相当なテクニックが必要でしょうし、公道ではまずお目にかかることは無いんじゃないでしょうか?
だけど、そんなのは余裕として公道で走る際の安全マージンとして取っておけばいいものなのです。
非常に楽しめるバイクでした。ごちそうさまでした(ウナ丼のパクリ)!
●旅先で思い立ったら乗る!ってのもアリ
さて、料金などについて改めて報告します。
貸出時刻:10時
返却時刻:18時
走行距離:314.8km
燃費:39.7km/L
ガソリン代:1575円
バイクレンタル費(8時間):1万5475円(LINEお友達割引・オプション補償等含む)
※10月2日から価格が変わっています
もちろん、ご自身の愛車で北の大地を走りたいという要望がある人もいるでしょう。しかし、フェリーでバイクを運んで…ということを考えれば、かなりお手軽、リーズナブルに楽しめるアトラクションのように感じられました。
旅先でのレンタルバイク、非常にありだと感じましたよ。たとえば、天気がよかったら空きがあるか聞いてみる、なんてことでも良いかもしれません。みなさんもチャレンジしてみてください!