■新たに広角単眼カメラとミリ波レーダーを採用し、昼夜の自転車やオートバイも検知
2023年11月9日、3代目が発表された新型スペーシア/スペーシアカスタムには、スズキ最新の先進安全装備「デュアルセンサーブレーキサポートII」も搭載されています。以前お伝えしたように、「ジャパンモビリティショー2023」で披露されたスイフトコンセプトなど、今後発売される予定の市販モデルにも採用されることになります。
センサーに、ステレオカメラの2.6倍の画角を持つ単眼カメラ、ミリ波レーダーを採用。車や歩行者だけでなく、昼夜を問わず、自転車やオートバイも検知対象になります。
交差点での検知にも対応した衝突被害軽減ブレーキのこの「デュアルセンサーブレーキサポートII」は、スズキ初採用で、全車に標準化。
この単眼カメラは、車線だけでなくアスファルトなどの構造物を検知。「スペーシア HYBRID X セーフティプラスパッケージ」、カスタム全車に標準装備されるアダプティブクルーズコントロールの精度も向上しています。コーナーを認識して手前で減速し、コーナリング中も快適な速度を維持する「カーブ速度抑制機能」を用意。
さらに、ウインカーの操作と連動し、自動で加減速することで、スムーズな追い越しや安全な合流をサポートします。そのほか「接近警告機能」の性能向上、電動パーキングブレーキの搭載により、渋滞時にブレーキを保持する「停止保持機能」も搭載されています。
車線維持機能では、アダプティブクルーズコントロール(ACC)作動時に車線中央を維持する操舵支援の「車線維持支援機能」を追加。単眼カメラが車線(左右の区画線)だけでなく、アスファルトと草や土などの境界、縁石、ガードレールなどの構造物を検知し、操舵支援も含めた「車線逸脱警報」「車線逸脱抑制警報機能」も含まれています。
前後バンパーに内蔵された超音波センサーが前方・後方の障害物を検知し、システムが衝突の可能性があると判断すると、衝突被害軽減ブレーキによる衝突の回避、被害軽減を図る「低速時ブレーキサポート(前進・後退)」も全車に標準装備されています。
そのほか、先行車の発進だけでなく、信号の切り替わりまで知らせてくれる「発進お知らせ機能」、ディスプレイ表示やブザー音での注意喚起を行う標識認識機能も全車に標準化されています。また、安全性に寄与する視界も拡大されています。
Aピラーが細径化されたことで前方視界が広がり、交差点右左折時の横断歩行者や交通状況がより把握しやすくなりました。さらに、「スペーシア HYBRID X」とカスタムのXS系には、カラーヘッドアップディスプレイも搭載されています。
予防安全装備では、軽自動車という前提が取り払われた最先端装備が用意されています。
メーカーオプションになる「全方位モニター付9メモリーナビゲーション・スズキコネクト対応通信機装着車」を選択し、「スズキコネクト」に加入すると、スズキ緊急通報やスズキトラブルサポートの発信やコネクテッド サービスの一時停止、停止解除がナビ画面上で操作できるなど、利便性、安全性の向上をさらに図ることができます。
また、パワートレーンの進化も盛り込まれています。NAエンジンは、燃焼効率が引き上げられた「R06D」型エンジン、軽量で高効率な新CVTの採用、マイルドハイブリッドの組み合わせにより、軽スーパーハイトワゴンでクラストップレベルの25.1km/Lの低燃費(FF)を達成しています(先代は最高値21.2km/L)。ターボ仕様も先代の19.8km/Lから21.9km/Lまで燃費が向上しています。
走りでは、環状骨格構造や構造用接着材の採用によりボディ剛性や操縦安定性をアップ。アンダーボディ接合面に減衰接着剤が採用された他、遮音バッフルが左右計8ヵ所に配置され、静粛性の向上も盛り込まれています。
●スペーシア価格帯:153万100円~182万4900円
●スペーシアカスタム価格帯:180万1800円~219万3400円
●全方位モニター付メモリーナビゲーション・スズキコネクト対応通信機(全車):19万5800円
●セーフティプラスパッケージ(電動パーキングブレーキ、ブレーキホールド、アダプティブクルーズコントロール、車線維持支援機能):6万6000円(スペーシア HYBRID X)
(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠、スズキ)