■初代からひとまわり大きくなり、全高は1550mmを超える
最近の自動車メーカー、自動車ブランドは、勢いのある中国勢をのぞき、自国や自国周辺の地域で開催されるモーターショーに積極的に出展し、他の国や地域でのショーには出展を見合わせる…という流れが生まれつつあります。コロナ禍の影響やモーターショーそのものの地盤沈下、新車発表の場は他にも多くある、などの理由が考えられます。
そんな中、「ジャパンモビリティショー2023」で気を吐いていたのは、BMWブース。
プレスデー初日には、バッテリーEV(BEV)の「Vision Neue Klasse」を世界初公開。なお、プレスデー2日目にはブースから姿を消していました。
「いま買える注目モデル」として見逃せないのが、コンパクトSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)の新型BMW X2です。フルモデルチェンジ(全面改良)を受けた2代目の新型X2は、2.0L直列4気筒ガソリン車のほかに、バッテリーEVのiX2も設定。同ショーでは、ガソリン車1台、BEV1台が展示されています。
初代X2は、コンパクトクーペクロスオーバーの割に後席も荷室も広く、実用性を兼ね備えていたモデルで、ステーションワゴンの背を少し高くしたようなSUVという印象でした。一方で、街中で見かける機会は、BMWのXシリーズの中でも少ない方で(個人的感想です)、エクステリアデザインに関しては、少し好き嫌いが分かれていたのかもしれません。
パッケージングは秀逸で、全高を低く抑えることで、高さ制限1550mmの機会式立体駐車場にも入庫できるなど、都市部での取り回し、駐車場のしやすさが美点でした。なお、新型BMW X2のサイズは、全長4554×全幅1845×全高1575mmで、初代の全長4375×全幅1825×全高1535mmと比べると、ひと回り大きくなっています。
新型X2は、大型キドニーグリルの採用などにより、一気にフロントマスクの力強さが増し、環状のシグネチャーを2回繰り返す「ツイン・サーキュラー」を進化させたアダプティブLEDヘッドライトが先進的な雰囲気も醸し出しています。
サイドビューは、ドアハンドルをドアパネルと一体化させたフラッシュハンドルの採用により、スタイリッシュを抱かせる仕立てになっています。ワイドで力強さを強調する水平方向のキャラクターライン、立体的なLEDリヤコンビネランプなどにより、リヤまわりも厚みを増しているように映ります。
インパネも最新のBMW流のデザインが与えられています。メーターパネルとコントロールディスプレイを一体化(大型化)させ、先進性を強調。こちらもBMWが推し進めているシフトレバーの廃止により、すっきりとしたセンターコンソールまわりになっています。
前後席に短時間座った印象は、大人4人が過不足なく座れる空間を確保しつつ、前後席ともにシートサイズが大きめで、ロングドライブでも疲れを誘わなそうです。後席頭上まわりも車外から想像するよりも圧迫感はなく、初代から美点を受け継いでいます。
パワートレーンは、「BMW X2 xDrive20i」に最高出力150kW/最大トルク300Nmの2.0L直列4気筒ガソリンターボを、「BMW X2 M35i xDrive」には、BMW M社による233kW/400Nmの2.0Lガソリンターボを搭載。
バッテリーEVの「BMW iX2 xDrive30」は、最高出力140kW、最大トルク247kWのモーターを前輪と後輪に配置された4輪駆動モデルになります。システムトータルの最高出力は200kW、最大トルクは494Nmに達し、0-100km/hを5.6秒で到達するそう。66.5kWhのリチウムイオン電池は、床下に配置されていて、一充電あたりの走行可能距離は417-449km(欧州仕様値)となっています。
●サイズ:全長4554×全幅1845×全高1575mm
●価格
「BMW X2 xDrive20i M Sport」:628万円
「BMW X2 M35i xDrive」:810万円
「BMW iX2 xDrive30 M Sport」:742万円
(文・写真:塚田 勝弘)