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■TZM50の車体にモーターを搭載
ジャパンモビリティーショー2023のヤマハ発動機ブースに展示されているE-FV。社内の有志が製作したというこの車両は、かつてミニバイクレースなどで人気を博した50ccレーサーレプリカ「TZM50」の車体を使ってEV化したモデルです。
これって、現代でもサーキット入門に最適なんじゃないの?
●TY-Eのユニットでパワフルに走る
「2輪の根源的な楽しさを追求したモデルです」というE-FVは、車体は前述のとおりTZM50のものを使用しています。50ccといっても、ミニバイクレース全盛期の50ccレーサーレプリカは、けっこうメーカーの威信をかけて作られていたので、サーキットでの戦闘力はなかなかのものだと思います。
そこに、ヤマハの電動トライアルバイク「TY-E」のパワーユニットを搭載しました。TAM50は2サイクルだったので、当時なかなかのパワーがあったわけですが、この電動パワーユニットは、そこにさらに低回転のトルクを増したようなパワー特性。ですから、ちょっとミスをしても、どこからでもなんとかなってしまうようなトルク特性があるそうです。
また、最高速も100km/hオーバー。125ccスクーターよりは確実に速いとのことなので、十分なパワーがあるといえるのではないでしょうか。
●EVなのにエンジン音が楽しめる
有志が製作した試作車ではありますが、外装デザインはデザイナーと手を組んで作ったものなので、現代的なシャープさやアグレッシブさを持っています。完成度も高っくてカッコいい!
ユニークなのは、サウンドデバイス「アクティブ・サウンド・コントロール」が搭載されていて、ガソリン車でいえばタンクにあたる部分の上部にスピーカーがあり、そこから音を出せるようになっていること。
現在はなんとTZ250(2サイクル・市販レーサー)の音が出るようになっていて、まるで2サイクルエンジンのレーサーレプリカ気分で運転できるのだとか。
といっても、この音というのはモーターの回転などを把握するのにわかりやすく、実際にメリットもあるようです。
EVということで気になる航続距離ですが、初心者がサーキット走行するなら、クタクタになるまで走れるとのことなので、用途から考えると十分なのではないでしょうか。コンパクトなので車に載せて運搬するのも楽なはず。
これはあくまでも試作車ですが、もしこんなモデルが市販化されたら、サーキット走行用の入門車としてすごくいいのではないでしょうか。
(まめ蔵)