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■前19インチタイヤでオンロードの快適性を追求
スズキは、欧州など海外で販売中の新型スポーツアドベンチャーツアラー「Vストローム800(V-STROM800)」を、2023年10月25日より国内で発売することを発表しました。
スズキのアドベンチャーツアラー「Vストローム」シリーズに属し、2023年3月に日本で発売を開始した「Vストローム800DE(V-STROM800DE)」の兄弟車となるのがこのモデル。
オフロードでの走破性を高めたVストローム800DEに対し、Vストローム800はオンロードでの快適性や走行性能を追求。
3段階で高さ調整が可能なウインドスクリーン、フロント19インチのチューブレスタイヤやキャストホイールなどを採用することで、高速道路を使った長距離ツーリングなどで、より走りを楽しめる仕様に仕上がっています。
●シリーズ共通の「クチバシ」フェイスを継承
1050ccや650cc、250ccなど、さまざまな排気量のモデルを揃えるVストローム・シリーズの新型がVストローム800です。
オフロードテイスト満点なスタイルや装備が魅力のVストローム800DEの兄弟車で、新開発の776cc・パラレルツインエンジンや高剛性のスチールフレームなど、基本構成はそのままに、よりオンロードでの走りを向上させていることが特徴です。
外観は、シリーズ共通の独特な「クチバシ」をイメージさせるフェイスデザインを継承。縦に2灯配置したLEDヘッドランプなどにより、高い存在感とシャープな表情を演出しています。
また、高さを3段階で調整可能なウインドスクリーンや、長距離走行でも楽なポジションを実現するアルミ製テーパーハンドルバーなども装備。大容量20Lの燃料タンク、スマートフォンなどの充電が可能なUSBソケットも装備することで、ツーリング時の快適性や利便性を高次元で実現しています。
●コンパクトな新エンジンを搭載
搭載するエンジンは、最高出力60kW(82PS)・最大トルク76Nm(7.7kgfm)を発揮する776cc・パラレルツイン(直列2気筒)。スズキが新開発したこのエンジンには、クランク軸に対して90度に一次バランサーを2軸配置した「スズキクロスバランサー」を採用することで、エンジンの振動を抑えながら軽量・コンパクト化を実現していることがポイントです。
前後長が短いコンパクトなエンジンは、車体の最適な重量配分に貢献することで、軽快なハンドリングを提供。また、振動が少ないことで、街乗りはもちろん、長距離ツーリングなどでもライダーの疲労度を軽減してくれることも魅力です。
最新の電子制御システム「S.I.R.S(スズキインテリジェントライドシステム)」も搭載。出力特性を3つの中から選択可能な「SDMS(スズキドライブモードセレクター)」、リヤホイールの空転が感知された時に、エンジン出力を制御する「トラクションコントロール」、クラッチやスロットルを操作せずにシフトアップ/ダウンが可能な「双方向クイックシフトシステム」などを装備しています。
足まわりでは、フロント19インチ、リヤ17インチのキャストホイールやチューブレスタイヤを装着。兄弟車のVストローム800DEが、フロント21インチ、リヤ17インチのスポークホイールやチューブタイプのタイヤを採用し、オフロード走行も考慮している点と差別化し、よりオンロードでの走りに特化した仕様となっています。
車体サイズは、全長2255mm×全幅905mm×全高1355mm、ホイールベース1515mm。兄弟車のVストローム800DEが、全長2345mm×全幅975mm×全高1310mm、ホイールベース1570mmですから、全高を除けば、Vストローム800の方がややコンパクトな車体となっています。
また、シート高は825mmですから、855mmのVストローム800DEよりも足着き性がいいことがうかがえます。さらに、装備重量は223kgで、230kgのVストローム800DEより軽く、駐車場などでの取り回しがよりやりやすい設定となっているようです。
車体色には「パールビガーブルー」「マットスティールグリーンメタリック」「グラススパークルブラック」の3タイプを設定。
価格(税込)は123万2000円で、前述の通り、2023年10月25日に発売予定です。
(文:平塚直樹)