ヤマハ発動機は、モーターサイクルや電動コミューター、eBikeなど6モデルを世界初公開【ジャパンモビリティショー2023】

■ヤマハ発動機とヤマハの2つの「YAMAHA」による先進技術を融合させたステージ演出も見逃せない

2023年10月11日、ヤマハ発動機は、「ジャパンモビリティショー2023」の出展概要を明らかにしました。ブーステーマは“「生きる」を、感じる”。世界初公開の6モデルを含めた、モーターサイクルや電動コミューター、eBike(電動アシスト自転車)などが登場します。

ヤマハ発動機のブースイメージ
ヤマハ発動機のブースイメージ

また、「YAMAHA」ブランドをともに使用するヤマハとの協力により、同社の音響技術や製品などが紹介されるほか、2つのヤマハの先進技術を活かしたステージ演出なども見どころになります。

●人間に寄り添う「MOTOROiD2」

ワールドプレミアとなる参考出品モデルの「MOTOROiD2」
ワールドプレミアとなる参考出品モデルの「MOTOROiD2」

ワールドプレミアとなる参考出品の「MOTOROiD2(モトロイド ツー)」は、「未来における人とマシンのインターフェース」をテーマに掲げ、モビリティに知能化技術を融合させ、その概念を検証する実験モデル。

同社は、人とマシンがパートナーのように呼応し合う親密な関係になれば、そこに「未知の人機官能が生まれるはず」という仮説を立て、2017年に発表された「MOTOROiD」から継続して技術やデザインなどの研究、開発を行っています。

進化モデルである「MOTOROiD2」は、オーナーを認識して起き上がり、伴走し、その背に乗せて走行する生き物のような生命感を備え、「人生の伴侶」のような存在感をもつパーソナルモビリティ。自らをセンシングして不倒状態を保つバランス制御の「AMCES」、オーナーの意思をくみ取りながら状態を判断する「画像認識AI」を深化。加えて、これまでの二輪車には存在しなかった新たなストラクチャー「LEAF」を身にまとうなど、人とマシンの呼応に特化したスタイリングが主な特徴です。

●3輪フルオープンのコンセプトモデル「TRICERA」

参考出品の「TRICERA(トライセラ)」
参考出品の「TRICERA(トライセラ)」

同じく世界初公開される参考出品の「TRICERA(トライセラ)」は、操縦する喜びが追求された3輪パッケージのフルオープンEVのコンセプトモデルです。「Urban Exciting Mobility ~心身とマシンがひとつの有機体となる~」という開発コンセプトが掲げられています。

オープンエアの圧倒的な開放感の中、3輪&3WSによる新しいドライビングの感動体験を創出するパーソナルモビリティ。後輪の同位相、逆位相による旋回中心変化のコントロール性から導き出された、人間中心のパッケージングが採用されています。後輪操舵の手動モードも選択でき、新たなドライビングスキルの習得と成長の喜びを享受できます。

モビリティが自動運転化に向かう中、ヤマハ発動機は、もう一度ゼロから人間が操縦することで生み出される感動を探求するとしています。

●超低速でも転倒しない「ELOVE」

参考出品される「TRICERA(トライセラ)」
参考出品される「ELOVE」

参考出品の「ELOVE」も同じくワールドプレミアモデル。2015年に発表されて話題を集めたヒト型自律ライディングロボット「MOTOBOT」や「MOTOROiD」の研究で培われた技術を基盤に開発されています。

二輪車安定化支援システムの「AMSAS」搭載がトピックスです。とくに、歩行速度のような極低速運転における転倒不安や疲労からライダーを解き放ち、安心で快適に二輪車を楽しむための技術となっています。

この「ELOVE」は、「Game changing !」をコンセプトに、電動スクーターに「AMSAS」が採用されたモデル。写真のスタンダードモデル、原付スクーターで通学する離島の高校生やプロ車いすプレーヤーとの共創活動で生まれた車両も展示されます。

●電動ミニバイク「E-FV」

ワールドプレミアとなる「E-FV」
ワールドプレミアとなる「E-FV」

同じく参考出品で世界初公開となる「E-FV」は、「電動モビリティの楽しさの探求」を目指し、若手エンジニア有志が楽しみながら開発したファミリーで楽しめる電動ミニバイクです。

電動トライアルバイク「TY-E」のパワーユニットが搭載され、シフトチェンジが不要で、走りに集中できるファンビークルであることを追求。EVならではの静粛性に加え、サウンドデバイス「アクティブ・サウンド・コントロール」の搭載により、起動音や終了音、エンジン車のエキゾーストサウンドなどを楽しむことができます。

●世界初公開「Y-00Z MTB」「Y-01W AWD」も参考出品

参考出品の「Y-00Z MTB」もワールドプレミアとなる
参考出品の「Y-00Z MTB」もワールドプレミアとなる

参考出品の「Y-00Z MTB」も世界初公開されます。「Yamaha Motor Off-road DNA」をコンセプトに開発されたeMTBの技術提案。分割式ドライブユニット構造をはじめ、電動アシスト自転車「PAS」で実績のある磁歪式(じわい式)トルクセンサーが搭載されたEPS(エレクトリック・パワー・ステアリング)の組み合わせで、オフロード走行における優れた操作性と安定性の両立を実現するそうです。

「Y-01W AWD」も世界初公開となる
「Y-01W AWD」も世界初公開となる

eBikeの「Y-01W AWD」も参考出品で、今回が世界初公開になります。センターモーターと前輪ハブモーターが組み合わされた両輪駆動のアドベンチャーモデル。ツインモーターの協調制御、長距離ライドを可能にするツインバッテリー、ワイドタイヤなどの採用による高い走破性で、走れるフィールドの拡大が提案されます。

●「TMW」「YXZ1000R」「モバイルロボットアーム」「Real Sound Viewing」「Active Field Control」「Charlie」も見逃せない!

そのほか、参考出品の「TMW」は、車両実験部の有志が考案したオフロードアドベンチャーモビリティ。水素エンジン搭載の「YXZ1000R」も参考出品されます。特別出展物の「モバイルロボットアーム」は、ヒトの代わりに作業を行うロボットと、自律移動台車を組み合わせたモバイル協働ロボット。

特別仕様車される「Charlie」
特別仕様車される「Charlie」

ほかにも、ヤマハが技術開発を進めている、アーティストの演奏をそのまま保存し再現するシステム「Real Sound Viewing(リアル サウンド ビューイング)」も特別展示されます。

「Active Field Control」のイメージ
「Active Field Control」のイメージ

同じくヤマハによる「Active Field Control(アクティブ フィールド コントロール)」も特別展示。あらゆる空間で音を自在にコントロールし、最適な音環境を創り出すことができます。ボーカロイドや自動作曲技術を活用したヤマハのコミュニケーションロボット「Charlie(チャーリー)」なども多くの注目を集めそうです。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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