■進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を搭載
以前お伝えしたように、日産は「ジャパンモビリティショー2023」に向けて、順次、複数のEVコンセプトカーと新たな取り組みを発表することをアナウンスしています。
EVコンセプトカーの第2弾「ニッサン ハイパーアドベンチャー」(デジタルモデル)が、2023年10月10日に発表されました。
「ニッサン ハイパーアドベンチャー」は、アウトドアや各種アクティビティを楽しむ層に向けた本格SUV。EVとすることで、環境への配慮も施されています。週末のアウトドアレジャーから長旅まで、アウトドアでの多様なニーズに応える狙いが込められています。
大容量バッテリーを搭載することで、長期間の旅やロングドライブにも対応し、到着後はアウトドアアクティビティを楽しむための電源になり、照明や電気を必要とするアウトドア用品に給電が可能。
また「V2X(Vehicle-to-Everything)」機能が搭載され、車のバッテリーに蓄えた電力を自宅へ供給する「V2H(Vehicle-to-Home)」にも対応するコンセプトが掲げられています。
さらに、車両からの電力を電力網に供給する「VtoG(Vehicle-to-Grid)」にも対応し、地域の電力インフラをサポートするなど、自宅でも旅先でも電力を適切にマネジメントすることが想定されています。
進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」により、雪道や山道などでも快適な乗り心地を実現し、コンセプトカーらしい前衛的なエクステリアは、ダイナミックな面構成のボディパネルがアクティブさを表現。サイドには、特徴的な斜めのキャラクターラインが配され、広々としたキャビンを予感させるデザインとなっています。
フロントバンパーからフロントガラスに空気が抜けるエアダクトが配されていて、スムーズなルーフラインからサイドウインドウ、Cピラーまでが一体化されています。グラスエリアとボディ後部を段差のないフラッシュサーフェスデザインとすることで、高い空力性能を実現。
ホイールと前後バンパーは、スノーギアであるアイゼンから着想を得て、雪道や悪路を掻き進むような力強さが表現されています。
インテリアでは、インパネ前方にピラー間をつなぐワイドなディスプレイが目を惹きます。フロントスクリーンにカメラでとらえた車外の状況を映し出すことで、運転時にはボディが透けたような、大きく開けた視界が目前に広がり、車内外の空間がシームレスにつながる感覚を味わえます。
アウトドア向けモデルらしく、広々としたラゲッジスペースも特徴。荷室には、テントをはじめとした大量のアウトドアギアを積み込むことが想定されています。リヤシートは、ボタン操作のみで180度回転し、登山やウインタースポーツの着替えなどの準備ができる最適な空間に変身します。
テールゲートの開口部には、デザインと機能性を両立させたラダー状のステップを用意。車内から車外へそのまま移動できるだけでなく、停車時やキャンプなどでは、後ろ向きのシートに座ってくつろぎながら景色を楽しむなど、多様なシーンでアウトドアを満喫することができます。
同コンセプトカーは、デジタルモデルということも含めて、このまま市販化されることはまずないでしょう。しかし、こうした技術やデザインなどの各要素が、未来のエクストレイルなどに反映されても不思議ではありません。
(塚田 勝弘)