■V8エンジンの伸びやかさが増し、加減速時のハイレスポンスを実現
2023年10月現在、レクサスのクーペは、ミドルサイズのRC、最上級クーペのLCがあります。クーペで、しかも2ドアとなると、絶滅危惧種という懸念もあるものの、高級車ブランドには欠かせないスポーティイメージの牽引役的な存在になっています。
レクサスRCの中でも「F」を冠する「RC F」に、2023年10月5日、特別仕様車の“Enthusiast(エンスージアスト)”と“Emotional Touring(エモーショナルツーリング)”が設定されました。両モデルともにベース車は、RC F“Performance Package”で、ベース車自体がRC Fの中でもスペシャルなモデルになっています。
なお、両特別仕様車ともに25台限定の抽選販売になります。2023年10月5日から10月18日まで、全国のレクサス店にて抽選申し込みが受け付けられていて、当選者には申し込んだ販売店から10月20日以降に連絡があり、商談が進められることになります。
ベースとなるRC Fは、5.0L V8の高出力NAエンジンや、トルコン付ATの8-Speed SPDS(Sport Direct Shift)などが搭載された、レーシングスピリットを受け継ぐ「F」モデル。
特別仕様車の“Enthusiast”と“Emotional Touring”は、「F」モデルの「公道からサーキットまでシームレスに楽しめる走り」をさらなる高みに到達させるべく、RC F“Performance Package”をベースに、高精度チューニングエンジン、リヤディファレンシャルが用意されています。
注目の高精度チューニングエンジンは、ムービングパーツの緻密な質量合せなどにより、回転バランスが最適化され、フリクションの低減が図られています。V8エンジンの伸び感が増し、滑らかな回転フィールとエモーショナルなエンジンサウンドを享受できます。
一方の高精度チューニングリヤディファレンシャルは、熟練の技術者が手作業で施したバックラッシュ(ディファレンシャル内のピニオンギヤとリングギヤの遊び。隙間)の調整がなされており、加減速のレスポンスが向上するとともに、上質な走りをもたらすとしています。
軽快さとモダンさを兼ね備えたプレミアムスポーツを表現するため、“Emotional Touring”には限定色の「チタニウムカーバイドグレー」のみを設定。
“Enthusiast”には、ベースモデルに設定される「ホワイトノーヴァガラスフレーク」「ソニッククロム」「グラファイトブラックガラスフレーク」に加え、限定色の「チタニウムカーバイドグレー」が新規に設定されています。
また、パワーウインドウスイッチとエンジンカバーには、「Specially Assembled by LEXUS」の専用オーナメントプレートと専用バッジが配されているほか、「プロジェクションカーテシイルミ」が標準化されていて、限定モデルならではの特別感を醸し出しています。
加えて、“Emotional Touring”には、カーボンフードにボディカラーと同色の塗装が施され、リヤスポイラーには、「カーボンアクティブリヤウイング(格納式)」が採用されています。もう1台の特別仕様車“Enthusiast”で実現したという、走行性能の向上はそのままに、上質で洗練されたエクステリアデザインが与えられていて、多様なニーズに応えています。
希少な2ドアクーペで、しかも大容量NAエンジンを積むRC F。電動化が進む中、今後はなかなか出現しなさそうなモデルの特別仕様車になっています。
●価格
「RC F 特別仕様車“Enthusiast”」:1500万円
「RC F 特別仕様車“Emotional Touring”」:1500万円
(塚田勝弘)