■免許不要の小型ボートに装着できる電動船外機 「Small e-outboard concept」
スズキの「ジャパンモビリティショー2023」ブースの見どころは、四輪、二輪、新世代モビリティのほか、世界初公開の電動船外機や最新の事業紹介など多岐に渡っています。
電動船外機の「Small e-outboard concept」も世界初公開のコンセプトモデルで、3m未満の免許不要小型ボートに装着できます。軽自動車で運び、EV船外機として使う「軽自動車×EV船外機でボートライフをもっと身近に」をテーマに掲げています。電動化だけでなく、運びやすさやメンテナンスの容易さなど、気軽に環境に優しく使えるコンセプトモデルです。
軽量コンパクトで軽自動車にボートとともに積載でき、電池パックは、ポータブル電源として、アウトドアやキャンプでスマホなどの充電にも活用できます。
ユニークなマイクロプラスチック回収装置を備えるほか、外装を塗装レスとすることで環境負荷低減も図られています。
そのほか、「スズキクリーンオーシャンプロジェクト」の紹介についてのパネルと、その活動のひとつとなるマイクロプラスチック回収装置が搭載された船外機「DF140B」の展示も行われます。
事業展示では、インドでのCBG(Compressed Biomethane Gas/圧縮バイオメタンガス)として、ワゴンR CBG車が紹介されます。同社は、農村の活性化、持続可能な循環型社会の実現とモビリティの提供を組み合わせることにより、インドの発展に貢献できるとして、2022年よりCBG事業に取り組んでいます。牛糞を原料とした地産消費型のカーボンニュートラル燃料、有機肥料の製造供給という牛糞を原料としたバイオガス自動車の燃料製造共有事業としての挑戦を紹介。
そのほか、湖西工場での水素燃料電池荷役運搬車の実証がパネル展示されます。スズキは2022年末より湖西工場で水素を 燃料とした荷役運搬車の実証を開始。荷役運搬車は、太陽電池などの電力で作られたCO2フリー水素(グリーン水素)を燃料とした燃料電池搭載の荷役運搬車。同実証がブース内のパネルで紹介されます。
●軽トラ市を模した物販ブースと移動販売事業者向けサービスを提案
ユニークな取り組みといえるのが、軽トラ市を模した物販ブースと、移動販売事業者向けサービス(アプリ)の提案です。ブース内に軽トラ市を模した特設コーナーが設けられ、軽トラック「スーパーキャリイ」の荷台でスズキグッズの販売が行われる予定です。
単なる移動販売車ではなく、スズキが現在開発中の「移動販売事業者向けサービス」について、 サービスの第1弾であるスマホ用アプリを中心にモニターで紹介。同アプリは、移動販売に特化した予定管理などが可能なほか、様々な機能が用意され、展示では移動販売やキッチンカー事業の開業から運営まで、各課題を一気通貫でスズキがサポートし、 事業者のやりがいにつなげるサービスが紹介されます。
また、スズキとSkyDriveとの協業として、「空飛ぶ車」の展示も行われます。スズキは、2023年6月にSkyDrive と「空飛ぶ車」の製造に向けた協力について、基本合意書を締結。今後は、スズキグループが静岡県内に保有する工場を活用して、2024年春ごろから「空飛ぶ車」の製造開始を目指すとしています。ブース内では、1/5サイズのスケールモデルが展示され、この協業の取り組みについて紹介されます。
(塚田 勝弘)