■雨の中、リマック「ネヴェーラ」の7分05秒298に迫る
ポルシェが現在開発中の新フラッグシップモデル「タイカン ターボGT」(仮称)の最新プロトタイプが、ニュルブルクリンクに出現しました。
2020年から販売されている同モデルは、現在「ターボS」「ターボ」「4S」がラインナップされていますが、その頂点に位置するのが「ターボGT」です。
ニュルブルクリンクに姿を現したのは、最終テストを兼ねた「ニュルブルクリンク最速EV」への挑戦だったようです。ラインナップの中で最も強力でサーキット重視のバージョンはほぼフルヌードで、フロントバンパーはよりシャープなサイドインテークと、大型のスプリッターに取り付けられた目立つフィンを備えた新しいデザインになっていることがわかります。
テールには、リアバンパーにエアアウトレットを追加、より多くの空力フィンを備えたディフューザーを装備するほか、コンパクトなダックテールスポイラーには固定リアウイングが取り付けられています。
ウイングはミラーキャップと同様に、カーボンファイバーで作られているようです。また、左側のフェンダーに取り付けられていた充電ポートが削除されているのも、軽量化に関連していると見られます。
足まわりには5本のスポークを備え、大きなクロスドリル・ブレーキディスクを隠す台形ホイールが装着されています。安全確保に追加されているロールケージは、もちろん最終バージョンには搭載されないでしょう。
生産型では、よりアグレッシブなスタンス、そしておそらくシャシーセットアップの修正に加えて、ターボGTはトリプルモーター電動パワートレインを搭載します。
その結果、最高出力は1,014psと噂され、現行のデュアルモーター・タイカン ターボSの761psを大幅に上回るのはもちろん、テスラ「モデルSプラッド」の1,020psに迫ります。
プラッドはニュルブルクリンクで7分25秒23という驚異的なタイムでポルシェからEV最速レコードを奪いましたが、ターボGTでリベンジを狙うようです。
スパイカメラマンによると、プロトタイプはファクトリードライバーのラース・カーンがハンドルを握り、周回記録に挑戦するためにニュルブルクリンクを訪れたといいます。1周目に雨が降り始めたにも関わらず、ターボGTはプラッドの記録を抜き、リマック「ネヴェーラ」の7分05秒298に迫ったようです。
最新プロトタイプから判断すると、ポルシェは今後数ヵ月以内にタイカン ターボGTを公開する可能性が高く、おそらくフェイスリフトされたタイカンシリーズとともに公開されるでしょう。