カワサキの市販モトクロッサー「KX450」「KX250」に50周年記念モデル登場。蛍光ピンクのKXロゴは懐かしさ満点

■1990年型KX250をオマージュしブルーのシートも採用

カワサキのオフロード競技専用モデル、いわゆる市販モトクロッサーの「KX」シリーズが、2023年で誕生50周年を迎えました。

往年の名車をモチーフにしたカラーを採用した50周年記念モデル
往年の名車をモチーフにしたカラーを採用した50周年記念モデル

1973年の登場以来、モトクロスなどのオフロード競技で半世紀にわたって活躍し続けているロングセラー・シリーズがKX。

その450cc版の「KX450」と250cc版の「KX250」に、50周年記念モデル「50thアニバーサリーエディション(50th Anniversary Edition)」が登場します。

大きな特徴は、1990年型の「KX250」をオマージュしたというカラーリング。特に、シュラウドに施された蛍光ピンクの「KX」ロゴと、ブルーのシートとのマッチングは懐かしさが満点。当時を知るベテランのカワサキ好きには、感涙ものの再現度といえるカラーに仕上がっています。

●フルモデルチェンジを受けたKX450がベース

今回登場する50周年記念車は、市販モトクロッサー「KX450」と「KX250」の2024年モデルをベースに、特別なカラーリングを施した仕様です。

2024年モデルのKX450(スタンダード仕様)
2024年モデルのKX450(スタンダード仕様)

449cc・水冷4ストローク単気筒エンジンを搭載するのがKX450。アメリカで最も権威があるAMAスーパークロスやAMAモトクロスなど、世界的オフロードレースの最高峰450ccクラスで活躍するKXシリーズのフラッグシップともいえるモデルです。

2024年モデルでフルモデルチェンジを受けた新型は、新設計のダウンドラフトインテークを採用するなどで、エンジン性能を向上。車体には、最適な剛性バランスを実現する新設計のアルミペリメターフレームも装備することで、軽快なハンドリングや直進安定性に貢献します。

カワサキ・KX450 50thアニバーサリーエディション
カワサキ・KX450 50thアニバーサリーエディション

また、ブレーキシステムには、フロントキャリパーやマスターシリンダーにブレンボ製、リヤキャリパーとマスターシリンダーにはニッシン製をマッチングさせ、制動時の高いコントロール性も実現しています。

さらに、最新の電子制御システムも搭載します。滑りやすい路面など、さまざまな状況に応じて安定した車体の挙動維持をサポートする「KTRC(カワサキトラクションコントロール)」は、ハンドル左グリップ基部にあるトラクション(T)ボタンにより、2段階にトラクションを選ぶことが可能。

「ノーマル」「マイルドレスポンス」といった2つのエンジンマップを選択することができる「パワーモード」も設定するなどで、さらに戦闘力を高めています。

●北米レースで最多タイトルを獲得しているKX250

一方、同じく激戦が繰り広げられるアメリカのAMAスーパークロスやAMAモトクロスの4ストローク250ccクラスにおいて、最多タイトルを獲得しているのがKX250です。

2024年モデルのKX250(スタンダード仕様)
2024年モデルのKX250(スタンダード仕様)

エンジンは、249cc・水冷4ストローク単気筒を搭載し、特に高回転域で高いパフォーマンスを発揮。力強い低中回転域の性能と合わせて、ストレートでの優位性を実現しています。

車体には、KX450ベースの設計を進化させ、全体の剛性バランスを向上させたアルミ製ペリメターフレームを採用。エンジンをストレスメンバーとして使用していることや、ステアリングヘッド部の剛性最適化などにより、良好な剛性バランスを実現し、軽快なハンドリングや、スリムなライディングポジションに貢献しています。

●スイングアームのロゴも感涙モノ

そんなKX450やKX250をベースにしたのが、今回登場する50周年記念モデル。いずれも、特別なカラーが施されていることが特徴で、モチーフとなったのは、前述の通り、1990年型の「KX250」です。

KX450 50thアニバーサリーエディション
KX450 50thアニバーサリーエディション

カワサキ製レーシングマシンのイメージカラー「ライムグリーン」を基調に、蛍光ピンクとブルーの色調をマッチングしたカラーリングを施したこのモデルは、オフロードバイクにポップでカラフルな車体色を投入した先駆者ともいえるバイクです。

当時は、オフロードバイクの人気がかなり高かったこともあり、国内でも全日本モトクロス選手権だけでなく、多くの一般ユーザーが愛用し、一斉を風靡しました。

この頃、ちょうど筆者も、オフロードバイクを乗り始めたばかりでしたから、このカラーのKX250はとてもよく覚えています。あと、確か1993年に登場した4ストローク・250ccの公道向けオフロードモデル「KLX250」にも、似たようなカラーリングが採用されていましたね。

シルバーにペイントされたトリプルクランプ
シルバーにペイントされたトリプルクランプ

つまり、今回の特別カラーは、30年以上前のカワサキ製オフロードバイクを象徴するようなカラーリングをモチーフにしているといえます。

特に、1990年当時の手描きデザインを再現したという蛍光ピンクのKXロゴは、まさにあの年式のカラーを彷彿とさせるもの。筆者など当時を知るベテランライダーには、懐かしさ満点です。

スイングアームには「Uni Trak」ロゴ
スイングアームには「Uni Trak」ロゴ

また、リヤのスイングアームも、カワサキ独自のサスペンション機構「ユニトラック(Uni Trak)」のロゴ入り。これも現行モデルにはないギミックで、かなり感涙モノだといえます。

ほかにも、フロントのゼッケンプレートには、「KX」ロゴと同じ蛍光ピンクの50周年記念エンブレムも装備し、特別感を演出しています。

価格(税込)は、KX450 50thアニバーサリーエディションが110万円で、KX250 50thアニバーサリーエディションは86万9000円。

いずれも、スタンダードモデルから2万2000円アップで、2023年11月1日に発売される予定です。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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