マツダ「アクセラ」が3年2ヵ月で100万台生産を達成。マツダ車として過去最短の記録【今日は何の日?9月8日】

■アクセラの国内累計生産が100万台を突破

2003年にデビューした初代アクセラ。ファミリアの後継車のグローバルモデル
2003年にデビューした初代アクセラ。ファミリアの後継車のグローバルモデル

2006(平成18)年9月8日、マツダは「アクセラ」の国内累計生産台数が、2006年8月末時点で100万台を超えたと発表しました。

アクセラは、マツダの基幹モデル「ファミリア」の後継車として、2003年10月にデビューし、欧州では「MAZDA3」として販売されているグローバルモデルです。


●アクセラの先代ファミリアの歴史

1955年に政府が提唱した「国民車構想」に呼応する形で、マツダが始めて生産した本格的な小型乗用車が、1963年にデビューした「ファミリアバン」と1964年の「ファミリアセダン」でした。

1964年発売のマツダ初の小型車、初代ファミリアセダン
1964年発売のマツダ初の小型車、初代ファミリアセダン

ファミリア・シリーズは、1965年には月販1万台を超えるヒットを記録。2代目ではロータリーモデルも設定され、3代目はボディサイズがひと回り大きくなり、ロータリーモデルは廃止。4代目は、それまでの3ボックス型セダン/クーペから2ボックス型のハッチバックに変更され、人気を博しました。

1980年にデビューして大ヒットした5代目ファミリア
1980年にデビューして大ヒットした5代目ファミリア

そして、5代目は“赤いファミリア”で若者の心を掴み、空前の大ヒットを記録。その後も、マツダの基幹モデルとして安定した販売を記録し、1998年登場の9代目まで40年余りにわたって続いた、マツダを代表する車名「ファミリア」の幕を下ろしたのです。

●ファミリアの跡を継ぎ世界戦略車として登場したアクセラ

ファミリアの後継として、2003年にデビューしたアクセラ。当時のマツダはフォードの傘下であったことから、プラットフォームをフォード「フォーカス」と共用したため、ファミリアより全幅が拡大された3ナンバーボディとなりました。

ハッチバックスタイルのアクセラスポーツ
ハッチバックスタイルのアクセラスポーツ

4ドアセダンと5ドアハッチバック(スポーツ)が用意され、スポーティでダイナミックなスタイリングが特徴。パワートレインは、1.5L/2.0L/2.3L直4 DOHCの3種エンジンと、4速ATおよび5速MTの組み合わせで、駆動方式は当初はFFのみでしたが、追加で4WDも設定されました。

車両価格は、1.5Lが153.5万~162.8万円、2.0Lが192.5万円、2.3Lが205.2万~214.5万円でした。

アクセラは、海外では「MAZDA3」として販売され、日本よりむしろ海外での人気が高く、3年3ヵ月で累計生産台数100万台を突破して、アテンザの最短達成記録を更新。2代目が登場するまでの6年間で、世界中で200万台を超える販売を記録し、マツダの主力モデルへと成長したのです。

●マイナーチェンジでホットモデルも登場

2006年6月のマイナーチェンジに合わせて、高性能ホットモデル「スピードアクセラ」が追加。2.3Lモデルをハイチューンし、全幅を20mm拡大し、フロントデザインも一新。専用エアロパーツの装備、大径ホイールを履かせるフロントフェンダー、合わせてフォグランプの形状も専用設計されました。

2006年に追加されたホットハッチのスポーツアクセラ
2006年に追加されたホットハッチのスポーツアクセラ

エンジンは、2.3L直4 DOHCインタークーラー付直噴ターボで、その圧縮比はターボエンジンとしては驚異的な9.5、最大出力264PS/最大トルク38.7kgmを発揮。FFでこのハイパワーをコントロールするために、ボディの強化やブレーキの大型化、強化スタビライザ、DSC(ダイナミックスタビリティコントロール)など、機能面も強化されました。

車両価格は、これだけのチューニングが施されたにもかかわらず、ベースからわずか26万円追加の241万円に抑えられたのです。


初代アクセラは、欧州カーオブザイヤーで2位に輝くなど、日本よりもむしろMAZDA3として欧州で人気がありました。コンパクトカーですが、3ナンバーで車室空間に余裕があり、それでいてスポーティな走りが楽しめました。これが海外で人気を得た理由だったのでしょう。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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