スーパーGT第5戦鈴鹿450kmで16号車 ARTA NSX-GTが初ポール【スーパーGT 2023 GT500】

■GT500クラスはQ1トップの2台が全く同じタイムのぎりぎりの攻防

8月26日(土)、27日(日)に三重県の鈴鹿サーキットで開催の2023 AUTOBACS SUPER GT第5戦『SUZUKA GT 450km RACE』。8月26日には公式予選が行われました。

ZENT CERUMO GR Supra
ZENT CERUMO GR Supra

予選Q1開始となる午後3時53分の陽射しはかなり強く、気温は32度、路面温度は51度にも達します。

MOTUL AUTECH Z
MOTUL AUTECH Z

タイムアタックは残り時間1分を切ったころから始まっていきます。まず1分47秒176を記録したのが17号車 Astemo NSX-GT。引退発表をした立川祐路選手にバトンを渡すべくQ1を走る38号車 ZENT CERUMO GR Supraの石浦宏明選手もまったくの同タイムで2番手につけます。

その直後、23号車 MOTUL AUTECH Zが46秒台、1分46秒509でトップ浮上。

8号車 ARTA MUGEN NSX-GT
8号車 ARTA MUGEN NSX-GT

しかし、すぐさま8号車 ARTA MUGEN NSX-GTが1分46秒399でトップが入れ替わると、その直後に24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Zも全く同一のタイム1分46秒399を叩き出し、2番手となります。

リアライズコーポレーション ADVAN Z
リアライズコーポレーション ADVAN Z

トップと2番手が同一タイムというぎりぎりの攻防は、拮抗するGT500クラスを象徴しているかのようでした。

●下がり始めた路面温度で次々と塗り替わるタイム

GT500クラスのQ2は、午後4時31分に始まります。この時点で路面温度は48℃と徐々に下がり始めているために、コースインのタイミングをどうするかでタイムにも影響が出てきます。

MOTUL AUTECH Z
MOTUL AUTECH Z
Astemo NSX-GT
Astemo NSX-GT

ファーストアタックはMOTUL AUTECH Zで1分46秒422を出してきます。直後に8号車 ARTA MUGEN NSX-GTも1分46秒577の2番手タイムを記録。しかしデグナーコーナーで大きくコースを飛び出したことで走路外走行と判定されタイムは抹消されてしまいます。17号車 ASTEMO NSX-GTが分46秒659で2番手につけます。

16号車 ARTA MUGEN NSX-GT
16号車 ARTA MUGEN NSX-GT

そして16号車 ARTA MUGEN NSX-GTの福住仁嶺選手が1分46秒385を叩き出し、トップとなるとそのまま予選終了。ARTAとMUGENの新体制で臨む今回、16号車は初のポールポジションを獲得しました。

Modulo NSX-GT
Modulo NSX-GT

予選2番手はMOTUL AUTECH Z、3番手はAstemo NSX-GTとなります。また4番手は64号車 Modulo NSX-GTが入りました。

ZENT CERUMO GR Supra
ZENT CERUMO GR Supra

今シーズンで引退を発表した立川祐路選手は鈴鹿ラストアタックを1分47秒253、ZENT CERUMO GR Supraは予選5番手から決勝に臨むこととなります。

16号車 ARTA MUGEN NSX-GTのドライバーと監督
16号車 ARTA MUGEN NSX-GTのドライバーと監督

8月27日の決勝レースは雨上がりの蒸し暑い気候でのレースとなりそうです。14時45分スタートし77周で競われます。

ここ数戦、赤旗中断が繰り返されているスーパーGTの450㎞レースですが、混戦必死ともいえる予想の元、数々のドラマが生まれそうな予感です。

●スーパーGT2023第5戦 鈴鹿 GT500予選結果

順位 ゼッケン 車名 ドライバー タイム
1 #16 ARTA MUGEN NSX-GT 福住 仁嶺、大津 弘樹 1’46.385
2 #23 MOTUL AUTECH Z 松田 次生、ロニー・クインタレッリ 1’46.422
3 #17 Astemo NSX-GT 塚越 広大、松下 信治 1’46.659
4 #64 Modulo NSX-GT 伊沢 拓也、太田 格之進 1’47.212
5 #38 ZENT CERUMO GR Supra 立川 祐路、石浦 宏明 1’47.253
6 #24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木 大樹、平手 晃平 1’54.094
7 #8 ARTA MUGEN NSX-GT 野尻 智紀、大湯 都史樹 1’59.352
8 #100 STANLEY NSX-GT 山本 尚貴 牧野 任祐 Q2出走せず
9 #1 MARELLI IMPUL Z 平峰 一貴、ベルトラン・バゲット 1’47.666
10 #3 Niterra MOTUL Z 千代 勝正、高星 明誠 1’47.780
11 #14 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋 和也、山下 健太 1’47.831
12 #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口 雄飛、中山 雄一 1’47.839
13 #19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本 雄資、阪口 晴南 1’47.840
14 #37 Deloitte TOM’S GR Supra 笹原 右京、ジュリアーノ・アレジ 1’48.114
15 #36 au TOM’S GR Supra TOYOTA GR Supra GT500 坪井 翔、宮田 莉朋 1’48.274

ポールポジションを喜ぶレースクイーン
ポールポジションを喜ぶレースクイーン

(文:松永 和浩 /写真:吉見 幸夫、松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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