■CNF新規参入のマツダは2リッターのロードスターで参戦
7月29日(土)〜30日(日)に大分県日田市のオートポリスで開催された、ENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE第4戦『スーパー耐久レース in オートポリス』。
マツダはこのオートポリス戦から、ガソリン代替カーボンニュートラル燃料(CNF)を使用する「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」で参戦すると発表し、29日にオートポリス内で説明会を開催しました。
マツダはST-Qクラスですでにバイオディーゼル燃料のMAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptで参戦していますが、新たにCNFでの可能性を探るということで、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF conceptで参戦するとのことです。
●トヨタ、スバル、そしてマツダはガチンコ勝負ながら情報も共有
説明会でMAZDA SPIRIT RACINGの代表でマツダのデザイン部門のトップでもある前田育夫さんは、「GR86とBRZの戦いが羨ましいと思っていました。そこに割って入りたい。今は車が出来上がったばかりなので速さも無いですが、いつかは3ワイドで走ってみたい。そして、GR86とBRZをぶっちぎる速さを手に入れて前を走りたい」と語ります。
しかし、ただ戦うというだけではなく、トヨタ、スバル、マツダのなかで技術的な情報の共有を行いながら、共に進化していこうという姿勢があることも語られます。
GR86、BRZ、そしてロードスターと、日本にもこれだけのスポーツカーがあるのだということを魅せてくれるであろうこの参戦説明ですが、実はスーパー耐久のST-QクラスにおいてはGR86が3気筒ターボ、BRZが水平対向4気筒、ロードスターが直列4気筒と、エンジン形式が全く異なることも興味深いところです。
ここで行われる情報共有は、自動車メーカーだけではなく、CNFを作るメーカーにも提案や要望というカタチで提出され、CNFの量産に向けての働きかけとしても機能していくとのこと。
マツダのCNF参戦によって、これまで以上に多くの知見が集まり、CNFの実用化、量産化へと近づいていくこととなるでしょう。
30日に行われた5時間耐久の結果としては、クラストップのORC ROOKIE GR86 CNF Conceptの137周に対して、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF conceptは130周。デビューとしてはまずまずの数字ではないかと思われます。
ここから熟成が進んでいけば、近い将来、3ワイドでコーナーへアタックする姿を見ることがかなうかもしれません。
カーボンニュートラルを実現しながら激しいバトルが繰り広げられていくという夢の実現のためにも、ST-Qクラスでの各社の実証実験や研究開発を応援していきましょう。
(写真・文:松永 和浩)