アキュラ初の電気自動車「ZDX」のスペックが公開。満充電で520km以上を走る【週刊クルマのミライ】

■GMと共同開発、バッテリー総電力量は102kWh

500HPを発生するタイプSのフロントには6ポットのブレンボ製キャリパーが採用されている。
500HPを発生するタイプSのフロントには6ポットのブレンボ製キャリパーが採用されている

ホンダは、アメリカ・カリフォルニア州で開催されている「Monterey Car Week(モントレー・カー・ウィーク)」において、Acuraブランド初のBEV(電気自動車)となる「ZDX」と、そのハイパフォーマンス版「ZDX タイプS」を世界初公開しています。

ホンダによれば『ズィーディーエックス』と読ませる、SUVスタイルのBEVはゼネラルモーターズ(GM)の「Ultium(アルティウム)」バッテリーを搭載した、GMと共同開発したモデルです。

発売予定は2024年。2040年までにBEVやFCV(燃料電池車)といったゼロエミッション車の販売比率をグローバルで100%とする目標を掲げるホンダにとって、プレミアムブランドにおけるゼロエミッションへの第一歩となるモデルです。

モントレーで発表されたZDXのグレード構成は、シングルモーター(RWD)とデュアルモーター(AWD)を用意するAスペックと、ハイパフォーマンス版として出力をアップしたデュアルモーター仕様となるタイプSの3つ。

そのメカニズムが、どのようになっているのか、おおいに気になります。

●スポーティな「タイプS」はデュアルモーター&エアサス仕様

190kW級の急速充電に対応。ベーシックグレードは10分の充電で81マイル(約130km)を走ることができるという。
190kW級の急速充電に対応。ベーシックグレードは10分の充電で81マイル(約130km)を走ることができるという

シングルモーターのAスペックでも最高出力は340HPとなかなかのものですが、タイプSは500HPを誇ります。

いずれもアルティウム・バッテリーの総電力量は102kWhで、EPA一充電航続距離はAスペックのRWDで325マイル、AWDが315マイル。タイプSは288マイルと短めになっています。しかしながら、急速充電は190kWまで対応するということですから、短時間の充電で実用的な航続距離が期待できるものとなっています。

サスペンション形式は四輪マルチリンク、タイプSには高性能アダプティブダンパーとエアサスペンションを組み合わせた専用の足回りが与えられるほか、フロントブレーキにブレンボの6ポットキャリパーが採用されるなど、プレミアムスポーツらしい仕上がりになっています。

●アキュラZDX主要スペック

2040年までにEV・FCEV販売比率をグローバルで100%とする目標を掲げるホンダ。「ZDX」はアキュラブランド初のBEVとなる。
2040年までにEV・FCEV販売比率をグローバルで100%とする目標を掲げるホンダ。「ZDX」はアキュラブランド初のBEVとなる

GMとの共同開発モデルということもあり、おそらく北米専用モデル。日本での販売は期待薄といえるZDXですが、エンターテインメントでの新世代ぶりには注目です。

車載向けコネクテッドサービス「Google built-in(グーグル・ビルトイン)」をAcuraとして初めて標準搭載しているほか、デンマークの高級オーディオブランド「Bang & Olufsen(バング・アンド・オルフセン)」のサウンドシステムを初採用しています。

とくにBang & Olufsenとのコラボレーションは、ホンダ・ブランドへの展開があり得るかもしれません。Bang & Olufsen のロゴがレーザーエッチングされたアルミのスピーカーグリルを搭載したモデルが、日本でも販売されることに期待しましょう。

2024 Acura ZDX Specifications
全長:197.7インチ(約5022mm)
全幅:77インチ(約1956mm)
全高:64.4インチ(約1636mm)
ホイールベース:121.8インチ(約3094mm)
タイヤサイズ:265/50R20<275/40R22>
モーター最高出力;340HP<500HP>
バッテリー総電力量:105kWh
一充電航続距離(EPA):325マイル(約523km)<288マイル(約463km)>
※<>はタイプS

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる