米・ホンダが新型アキュラ「ZDX」を発表。中国でも販売するプレミアムなクロスオーバーSUV【今日は何の日?8月16日】

■北米で発売予定のアキュラ「ZDX」の概要を発表

2009年に北米専用車としてデビューしたクロスオーバーSUV
2009年に北米専用車としてデビューしたクロスオーバーSUV

2009(平成21)年8月16日、ホンダの米国現地法人である米国ホンダモーターは、アキュラ「ZDX」の北米地域への投入に先立ち、概要を発表しました。

「ZDX」はプラットフォームなどをアキュラ「MDX」をベースとした、MDXよりやや上級のクロスオーバーSUVでした。


●1986年、海外専用の高級車ブランド“アキュラ”を設立

日本車初の米国生産となった2代ア目アコードセダン
日本車初の米国生産となった2代ア目アコードセダン

米国ホンダモーターは、1959年にホンダ初の海外現地法人として設立され、2輪車の販売を始めました。1970年には、小型4輪「N600」の販売を開始、1982年にはオハイオ州のホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリングの工場で、日本の自動車メーカーとしては初めて米国での4輪車生産を「アコード」で開始しました。

米国での現地生産のパイオニアとなったホンダでしたが、1986年には日本メーカーとして初の海外向け高級ブランド“アキュラ”を設立。開業とともに全米60店舗のディーラーを通して、「アキュラ・レジェンド」と「アキュラ・インテグラ」の販売を始めました。

2023年現在のアキュラブランドは、セダンとSUVが中心でミドルサイズのSUV「RDX」とフラッグシップSUV「MDX」などが人気です。

●走りと快適性、低燃費を実現したZDXの誕生

ZDXは、プラットフォームなどはMDXをベースにし、ワイド&ローと開放的なグラスルーフでスポーティさをアピールしつつ、セダンのような快適性、さらに高いユーティリティ性も確保しているクロスオーバーSUVです。

ZDXの精悍なフロントフェイス
ZDXの精悍なフロントフェイス

パワートレインは、最高出力304PS/最大トルク37.3kgmを発揮する3.7L V6 VTECエンジンと、新開発の6速ATの組み合わせで、力強い走りとともに優れた燃費性能も達成しています。

ZDXのリアビュー。ルーフ全面からリアゲートまで繋がる開放的なグラスルーフ
ZDXのリアビュー。ルーフ全面からリアゲートまで繋がる開放的なグラスルーフ

また、走行状況に応じて4輪すべてに最適な駆動力を瞬時に配分して、高い旋回性能や走行安定性を実現するSH-AWD(4輪駆動力自在制御システム)を組み合わせることで、卓越したハンドリングとコーナリング性能を発揮するのも特徴のひとつです。

ZDXは、2009年末から北米と中国で販売され、2013年まで生産されました。

●2024年にアキュラ初のEVとしてZDXが復活

2013年にZDXの名前は一旦消えましたが、2024年に北米に投入予定のアキュラ初のEVの車名を新型「ZDX」とすることが、2022年8月に発表されました。ホンダは、2040年までに北米での販売台数の100%をEVおよびFCVとすることを電動戦略で掲げています。

新型ZDXは、アキュラ初のゼロエミッションSUVとなり、GMとの提携効果を生かして50~200kWhのアルティウムバッテリーを搭載したグローバルEVプラットフォームを活用。力強い流麗なフォルムと、F1のようなコクピットを持つ近未来的なモデルで、手動運転と自動運転の両方が楽しめるようです。


アキュラやインフィニティの海外専用車の日本投入を、期待する声をよく耳にします。ZDXも直線基調のメカニカルなスタイリングがいかにもアメリカ市場での人気を牽引したと思われますが、クルマの実用性を重視する現在の日本市場では、大型SUVなのに乗りにくそうだった先代の後席ドアなど、受け入れられなかったかもしれません。

もし、今後グローバルで展開していくのなら、そういった地域別のマーケットの違いが、どうなってくるのか気になりますね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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