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■EV商用バンをベースにした車中泊仕様
カーボンニュートラルの実現に向け、バッテリーとモーターで100%走るBEV(バッテリーEV)モデルが近年、続々と登場しています。
乗用車をはじめ、商用車やバス、バイクなど、様々なジャンルに電動化モデルはありますが、なんとキャンピングカーにもBEVモデルが登場。
キャンピングカーや車中泊スポットのシェアリングサービスなどを運営する「カーステイ(Carstay)」から「ムーン(Moonn.)」ブランドの新型「T-01(タイプ ワン)」が発売されました。
このモデルは、「HW ELECTRO(エイチダブリュエレクトロ)」という新興メーカーが販売する中型BEVバン「ELEMO-L(エレモ エル)」がベース。
100%バッテリーとモーターで走ることで、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにした日本初(2023年8月4日時点/カーステイ調べ)のキャンピングカーだといいます。
内装にはウッドパネルなどを施し、2名就寝が可能なベッドも装備。また、旅先で電子レンジや冷蔵庫、エアコンといった家庭用電気製品の使用も可能な本格仕様です。
●中型BEVバンの荷室を架装
今回発売されたT-01は、前述の通りBEVバンのELEMO-Lをベースにしています。
ベース車両の車体サイズは全長5457mm×全幅1850mm(ミラー〜ミラーで2070mm)×全高2045mm。車体右側にアップタイプ、後部には観音開きタイプの各ドアを持つ多目的用途の中型タイプです。
ベース車両の外観はほぼ変えず、約7平米の広い荷室スペースを架装し、キャンピングカー仕様にしたのがこのモデルです。
ちなみに、T-01の車高は2045mmのままですから、立体や地下駐車場に停めることも可能。キャンプなどのレジャー用途だけでなく、普段使いができることも魅力です。
内装には、天井に上質なロシアンバーチの板張りを貼り木の温もりを演出。また、左右の壁には上質で落ち着きのある藍色の壁紙も施すことで、まるで宇宙旅行をしているような雰囲気も醸し出し、ブランド名のムーンを体現しています。
加えて、常設のベッドはシングルタイプからセミダブルサイズに拡張することもでき、大人2名の就寝も可能。大型の冷蔵庫や電子レンジなどを収納できる家具なども設置することで、室内を快適な居住空間にアレンジしています。
●充電1回で約270kmの走行が可能
100%電力で走行することで二酸化炭素排出量をゼロにしていることも、このモデルが持つ大きな特徴といえます。
43.5kWhの走行用メインバッテリーを搭載し、充電1回あたりの走行距離は約270km。最高速度は90km/hで、乗車定員は2名です。
走行用メインバッテリーは、通常の満充電時間が約8時間。EVを販売しているカーディーラーや、スーパー、コンビニ、道の駅といった商業施設など、充電設備を持つ全国各地2万1000ヵ所以上で充電することができます。
さらに、室内で家庭用電化製品などを使用できるサブバッテリーも200Aタイプを装備。
電子レンジ、冷蔵庫、エアコン、IH調理器など、旅行先はもちろん、被災による停電時でも生活に欠かせない、様々な製品を使うことができます。
サブバッテリーは、外部電源を使えば約7時間で満充電にすることが可能。また、車両のルーフ部に設置した370Wの大型ソーラーパネル(オプション)からも電力を供給することができます。
価格(税込)は1150万円で、オプションにはテレビやルーフエアコンなども用意。現在、カーステイのホームページ内で先行予約を受け付け中です。
ちなみに、このモデルを発売するカーステイは、前述の通り、従来はキャンピングカーや車中泊スポットのシェアリングサービスを運営している企業。
キャンピングカーの製造・販売を手掛ける「ムーン」というブランドは新規事業のひとつで、その第1弾モデルがT-01。これを契機に、今後も、様々なサービスの提供を目指すそうです。
(文:平塚 直樹)
【関連リンク】
カーステイ公式ホームページ
https://carstay.jp/ja/mobilab/