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■クラリティシリーズの第2弾は、電気自動車
2017(平成29)年8月2日、ホンダの米国法人である米国ホンダが、電気自動車「クラリティ・エレクトリック」を米国でリース販売を開始したと発表しました。
当時ホンダは、2030年までに世界で販売するクルマの2/3を電動化する目標を掲げ、その象徴となる同一プラットフォームのクラリティシリーズ(FCEV、EV、PHEV)の展開を図っていたのです。
●FCEV、EV、PHEVと続いたクラリティシリーズ
クラリティシリーズの第1弾は、2016年にリース販売が始まった「クラリティ・フューエルセル(FC)」です。当初は、自治体や企業中心のリース販売でしたが、2020年6月からは個人向けのリース販売も開始。
当初のクラリティFCの販売価格は766万円、FCスタック最高出力103kW、タンク容量141L、航続距離750kmでしたが、クラリティFCは、2021年8月に生産を終了しました。
第2弾の「クラリティ・エレクトリック」を挟んで登場した第3弾の「クラリティPHEV」は、すでにアコードやオデッセイで採用している2モーターのハイブリッド「SPORT HYBRID i-MMD」をベースしたプラグインハイブリッド。
容量17kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、満充電時のEV航続距離は114.6km(JC08モード)を実現しましたが、2021年にクラリティFCとともに生産を終了しました。
●クラリティシリーズの第2弾、クラリティ・エレクトリック
2017年、米国でクラリティ・エレクトリックのリース販売が始まりました。米国でリースを始めたのは、米国ZEV(ゼロエミッションンビークル)規制に対応したもの。ZEV規制は、メーカーに一定の割合でEVおよびFCEVを販売することが課せられる制度で、守らないとペナルティ(罰金)が発生する制度です。
最高出力161PS/最大トルク30.6kgmの駆動モーターと、容量25.5kWhのリチウムイオン電池を搭載し、満充電の航続距離は143kmです。また、先進のEVにふさわしいコネクテッドカー技術によって、スマホ連携ができる「ホンダリンク」をはじめ、音声認識や交通情報、充電ステーション情報など、豊富な機能をもつナビシステムも装備していました。
3年リース契約の販売で、月々のリース料は269ドル(当時のレートで約3万2000円)でした。2017年に「日産リーフ」が航続距離を400kmに延ばしていることを考えると、クラリティの143kmは実用的とは言えません。
●ホンダは、2024年からグローバルに本格的なEVを展開
ホンダは、2020年10月に多彩な先進機能を搭載した都市型コミューター「Honda e」を発売しました。車両価格451万~495万円で航続距離259km(WLTCモード)ですが、そもそも計画台数が1000台/年と少なく、普及型EVではありません。
その後2022年に、ホンダは2020年代後半までの本格的なEV戦略を発表しました。
日本には、2024年前半に商用車の軽EVを100万円台で投入し、その後パーソナル向けの軽EV、SUVタイプのEVを適時投入。北米については、2024年にGMとの共同開発の中大型クラスSUV「プロローグ」と、もう1機種の2機種を投入。欧州には2023年秋に、新型EV「e:Ny1(イーエヌワイワン)」を投入する計画です。
クラリティシリーズは、当時のホンダの電動化戦略の象徴的な存在で、そもそも販売数を狙ったクルマではありませんでした。ほとんどがリース販売で、市場での反応や技術的課題を吸い上げるのが目的だったようです。
ホンダは、EVで他社に後れをとっている印象がありますが、2024年には本格的なEV戦略が動き出しそうです。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)