■快適至極
かつてのType Rシリーズと今どきのType Rの最大の違い……それは、デートで使っても女性に嫌がられないことじゃないでしょうかね。
初期のタイプR(残念ながら「NSX-R」は乗ったことないけど)は本当に硬派でした。
「インテグラType R」も「シビックType R」も、とにかく足の味付けがハードで乗り心地に容赦なく、遮音材を省いているから音も煩い。今じゃ信じられないけど、パワーウインドウやリモコンドアロック、それにエアコンだってオプションだったんですからねぇ。
いくら四半世紀ほど前とはいえ、当時はすでにハイソカーブームよりも後。よく考えてみてください。快適なクルマを知っている女性たちが、そんなクルマでデートに行って心地よく感じてくれるはずなんかないわけですよ。
そんな初期のType Rたちと比べると、今どきのType Rは信じられないくらいに快適。何より彼女に喜んでもらえそうなのは、乗り心地じゃないでしょうか。
走行モードを「+R」にすると、車体の上下動が大きさがかつてのType R(FD型とかFD型とかFD型とか…)を思い出させるハードなサスペンションになるけれど、スイッチを切り替えて「コンフォート」にすれば上級セダン…とは言わないまでも、普通のセダンくらいの乗り心地。これなら彼女に嫌な顔はされないでしょ。
電子制御による減衰力可変式ダンパーって本当に偉大ですね。
●涼しい顔をして
それにしても、初期のタイプRはバリバリの体育会系でしたよね。それは、言い方を変えれば「ナンバーを取得でき、公道を走れるレーシングカー」というコンセプトを、見事に体現できていたといっていいのかも。
でも、今どきのType Rの「サーキットを走っても超速いし、スイッチを切り替えれば女性に嫌がられない快適性もキープ」というキャラも嫌いじゃない。むしろ今なら、あの運動部男子の部室のように、本当に汗臭かった初期のType Rよりも、最新の涼しい顔をしてデートもこなすType Rのほうを迷うことなく選びますって。
きっと彼女も、快適なクルマがいいに決まっているよね?
「話してなかったっけ? 私は運転するのが大好きで、どこまでも走り続けられるよ」
「カーシェアとかレンタカーで『MINIクーパーS』とか『AMG』を借りることもあるし、SUVより背の低いクルマが好き。MT免許を取ったのも、Type Rを運転するためだし」
そうなの? それならはやく言ってよ!菅田れもんちゃん。