■トヨタ、SUBARUと同じカーボンニュートラル燃料を使った実証実験を開始
マツダは、2023年7月21日、「ENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE」の第4戦オートポリス大会からガソリン代替カーボンニュートラル燃料を使用する「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」で参戦すると発表しました。
マツダは、2021年11月からほかの自動車メーカーとともに、カーボンニュートラル燃料を使用する「ST-Qクラス」へ「MAZDA SPIRIT RACING」として参戦。
これまでMAZDA2、MAZDA3をベース車両としたマシンで、次世代バイオディーゼル燃料普及に向けた実証実験を進めてきました。
今回、次世代バイオディーゼル燃料の「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept(55号車)」に加えて、「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」でガソリン代替カーボンニュートラル燃料の普及に向けた実証実験に取り組むことになります。
今回使用するガソリン代替カーボンニュートラル燃料は、すでに「ST-Qクラス」で参戦しているトヨタの「ORC ROOKIE GR86 CNF concept(1.4L直列3気筒直噴ターボエンジン)」、SUBARUの「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept(2.4L水平対向4気筒自然吸気エンジン)」と同じもの。
「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」(2.0L直列4気筒自然吸気エンジン)が加わることで、さまざまなエンジンで、同じカーボンニュートラル燃料を使った実証実験を進めていきます。
マツダは、モータースポーツの場で「人とクルマ」を鍛えるという視点に立ち、「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」の開発はすべて社内で行っているそう。
量産開発に携わるエンジニアが従事し、将来のクルマ造りに活かせる人材や技術の修練の場でもあり、レース運営でも社員と広島マツダのサービスメカニックで体制を構築しています。
同社は、カーボンニュートラルの実現に向けて、以前から選択肢を提供することが大切であると表明。電動化だけでなく、カーボンニュートラル燃料の取り組みを加速する構えです。
また、将来に向けて多様な燃料に対応する技術の選択肢を開発するとともに、トルクフルな前輪駆動ディーゼル車両、軽量な後輪駆動ガソリン車両など幅広い特性を持つ車両を活用し、レースフィールドを使って、マツダらしい「走る歓び」を感じる運動性能の開発も進めるとしています。
マツダは、モータースポーツを通じ、クルマを運転することの楽しさをより多くの方に感じてもらうために、モータースポーツ活動の活性化も目指しています。
同時に、モータースポーツでカーボンニュートラルに取り組むことで、将来にわたって持続可能な社会のあるべき姿を創造し、時代の要請に応じたモータースポーツ活動の啓発、認知拡大にも注力しています。
●参戦車両名:MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept(12号車)
●クラス:ST-Q
●エンジン:「SKYACTIV-G 2.0」
●排気量:1997cc
●使用燃料:ガソリン代替カーボンニュートラル燃料
●チーム名:MAZDA SPIRIT RACING
●監督:木田 努
●ドライバー:前田育男、阪口良平、堤 優威
(塚田勝弘)