目次
■人気の初代シビックをブラッシュアップした2代目
1979(昭和54)年7月18日、ホンダは世界中で大ヒットした初代シビックの初めてのモデルチェンジを行い、2代目シビックを発表しました。発売は7月27日から始まりました。
キャッチコピーは“スーパーシビック”で、初代より上級で初代を超えるという狙いが込められていたのです。
●初代シビックは、CVCCエンジンを搭載して歴史的なヒットモデルに
1972年にデビューした初代シビックは、世界市場に進出することを前提にした2ドアファストバックのコンパクトカーでした。コンパクトながらFFによる合理的な車室内空間を確保した上で、軽快な走りと低燃費を両立させたのです。
さらに、シビックの名前を世界中に広めて人気を決定的にしたのは、翌1973年に登場したCVCCエンジン搭載モデルでした。CVCC(複合渦流調速燃焼)は、当時、世界一厳しい排ガス規制と評され米国で制定されていた通称の「マスキー法」を、世界で初めてクリアしたホンダの燃焼システムの名称です。
CVCC搭載シビックは、日本のみならず米国でも大ヒットを記録。この初代シビックの成功によって、ホンダは2輪に続いて4輪でも先進的なメーカーというブランドイメージを確立し、ホンダの北米市場成功の第一歩になったのです。
●ボディをひと回り大きくした“スーパーシビック”だが、初代ほどの人気は得られず
1979年のこの日、大ヒットした初代の後を継いで、7年ぶりに新型“スーパーシビック”と名乗った2代目シビックが登場しました。スーパーシビックは、初代を超えるモデルという意味を込めたキャッチコピーです。
ひと回り大きくなったボディと厚みあるバンパー、メッキ枠の中に配した丸目ヘッドライトなど、初代のイメージをキープしながらも、より上質感を漂わせるフォルムに変貌。インテリアについても、広いキャビンと使い勝手のよいスイッチ類など、意欲的な試みが図られていました。
搭載エンジンは、1.3L SOHC CVCCエンジン、および最高出力80PSと85PSの1.5L SOHC CVCCエンジンが用意されました。ボディが大型化したにもかかわらず、車重はほとんど増えていなかったので、俊敏な走りは2代目でも健在でした。
●ワゴンやセダンを投入してバリエーション拡大
ファストバックスタイルでデビューした2代目シビックですが、最初のインパクトに欠けたこともあり、拡販のためにバリエーションを増やしました。
翌1980年1月には、シビック初のステーションワゴン「シビック・カントリー」を投入し、お洒落な木目調のパネルを使い、アウトドアレジャー好きの若者から人気を獲得。同年9月には落ち着いた雰囲気のセダンが追加され、1981年にはマイナーチェンジでヘッドライトが丸目から角目に変更されました。
2代目シビックは、初代をブラッシュアップしたことが売りでした。しかし、他メーカーの追い上げも厳しくなり、さらに自社からも1981年に登場したヒットモデル「シティ」に若者層が流れることになり、2代目の人気は期待通りには伸びなかったのです。
大成功した初代の後を引き継いだ2代目はキープコンセプトで陥りやすい新鮮味に欠けたことから、やや失速気味でした。その反省を踏まえてか、3代目は全く別のコンセプト、スタイリングに変わり、再び大ヒットを果たしました。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)